IPO実務検定試験合格への道|10時間で受かる!おすすめ書籍のご紹介

IPO実務検定試験について、あまりWeb上に情報がないため、私個人の勉強法や感想にはなるものの、以下にまとめてみたのでこれから試験を受けられる方々にご参考になれば幸いである。

IPO実務検定試験とは

日本IPO実務検定協会が認定する民間資格。協会によると『IPO実務検定は、上場準備に関する専門知識を持ち、上場準備を企業内部から支えることができる人材を早期に育成するべく創設された試験』とのこと。試験の合格だけを目指す勉強ではそのレベルに達するか疑問ではあるものの、公式テキストは非常によくできており、各テキストを熟読すれば上場準備の実務を遂行するにあたって必要となる知識を総合的、体系的に学ぶことが可能。IPO実務検定の受験勉強を通じて学べることは、投資銀行業務やプライベートエクイティファンドの業務においても直接役立つことはもちろん、これから上場準備の世界に身を置きたいと考えている未経験者や学生にとっても、上場を目指す成長企業に転職・就職するためのツールとしても役立つ。

試験内容

以下は、日本IPO実務検定協会のホームページからの引用であるが、最新情報については実際に日本IPO実務検定協会のホームページをご参照いただきたい。

標準レベル

  • 試験科目:「倫理・社会的責任」「制度・コンプライアンス」「上場準備実務」
  • 出題方式:択一式(60問)
  • 出題割合:択一式60問(「倫理・社会的責任」から5~10%程度、「制度・コンプライアンス」から30~40%程度、「上場準備実務」から50~65%程度)
  • 試験時間:60分
  • 試験方式:CBT(Computer Based Testing)方式(コンピュータ画面での試験方式)
  • 合格基準:70%以上の正答率(傾斜配点あり)

上級レベル

  • 試験科目:「制度・コンプライアンス」「上場準備実務」
  • 出題方式:択一式(60問)および記述式(3問)
  • 出題割合:択一式60問(「制度・コンプライアンス」から25~40%程度、「上場準備実務」から60~75%程度)及び記述式3問(「制度・コンプライアンス」及び「上場準備実務」から3問)
  • 試験時間:90分(択一式60分、記述式30分)
  • 試験方式:CBT(Computer Based Testing)方式(コンピュータ画面での試験方式)
  • 合格基準:70%以上の正答率(傾斜配点あり)※択一式の採点結果と記述式の採点結果の平均値(単純平均)により合否を判定

勉強法

過去問が公開されていない試験のため、過去問をたくさん解くことで合格ラインに達するという勉強法ができないが、日本IPO実務検定協会のホームページで紹介されているIPO実務検定試験公式テキストが非常に良くまとまっているため、こちらを一度通読のうえ、IPO実務検定試験公式問題集を何度か解くだけで標準レベルについては合格水準に達すると思う。上級レベルについても同様で、加えてケーススタディ・上場準備実務の書籍を何度か解くことで合格することができた。

IPO実務検定試験公式テキストは良くまとまっているものの、ページ数はそれなりにあるので、全てを暗記しようと読むのではなく、IPO実務の全体の流れをイメージできる程度に通読するだけで良い。問題を解く力については、標準レベルについてはIPO実務検定試験公式問題集を何度か解き、正答率を80%くらいにまで上げることができれば合格ラインに達しているだろう。実際の問題は、IPO実務検定試験公式問題集には出てきていない、IPO実務検定試験公式テキストに記載の細かな知識を問うものも当然あるが、常識の範囲内で解くことも可能な問題もあるので、初見の問題にも対応できるものは含まれている。上級レベルの記述式についても、ケーススタディ・上場準備実務の書籍に記載されている問題を解けるようにしておけば、択一式の知識とあわせて合格ラインには十分到達する。

しかしながら、冒頭にも記載のとおり、上記の勉強だけでは実務的に上場準備に関する専門知識を持ち、上場準備を企業内部から支えることができる人材には成り得ていないので、合格後もIPO実務検定試験公式テキストを何度も読み返し、辞書的に利用することをおすすめする。

おすすめ書籍

勉強法にも記載しているが、本試験のおすすめ書籍は公式テキスト及び問題集である。どの本も非常に良くまとまっており、実務者が読んでも役に立つ内容となっているので、IPO実務検定試験の合格のためだけでなく、今後IPOの実務に携わる予定のある方やIPO実務に興味を持たれている方々にとっても一度お手に取る価値はある書籍である。