お得なふるさと納税方法|毎年30万円以上をふるさと納税するオタクが教える最もお得な方法

ふるさと納税制度が始まって以来毎年30万円以上のふるさと納税を行ってきたふるさと納税オタクが実践しているお得なふるさと納税方法をご紹介したいと思います。

ふるさと納税が初めての方も、毎年やられている方も、ふるさと納税をしようとされる方は経済性に敏感な方だと思いますので、是非ご覧いただき、ご参考にしていただけると幸いです。

ふるさと納税をお得に行う方法

ふるさと納税の仕組みや限度額については、数多のサイトがありますので詳しい説明はそちらに譲りますが、基本的には所得に応じた限度額の範囲でふるさと納税を行うことで、その金額が翌年の住民税から控除される一方で、納税先から返礼品を受領することができるという仕組みです。つまり、(2,000円の自己負担額がありますが)住民税を先払いすることで返礼品を受け取れるというそもそもお得な制度です。

ふるさと納税を行う方法としてはいくつかの方法があります。ひとつは直接自治体に申し込む方法、もうひとつはさとふるやふるさとチョイスなどのふるさと納税サイトを経由する方法。

また支払い方法もいくつかの方法があります。金融機関での納付、コンビニエンスストア支払い、携帯キャリア決済、クレジットカード支払い、Amazon PayやPayPayなどのキャッシュレス決済など。

そして、一番重要な返礼品は食品から日用品、PCや家電など幅広い商品が揃っています。

私としては、これらの要素を最適化することでお得にふるさと納税ができると考えています。まとめると以下のとおりです。

納税方法の最適化×支払方法の最適化×返礼品の最適化=お得なふるさと納税

おそらくふるさと納税を何度もされている方も、返礼品選びには時間をかけられていると思いますが、ふるさと納税サイト選びや支払い方法について深い検討をされた方は少ないのではないかと思います。次の項目では私が考える現時点におけるお得なふるさと納税方法をご紹介します。

納税方法の最適化

ふるさと納税の方法には、前述のとおり自治体に直接申し込む方法のほか、各種ふるさと納税サイトを経由する方法があります。

私はこのなかでは楽天ふるさと納税を経由して行う方法が最もお得と考えています。理由は以下のとおりです。

一番影響の大きい要素が2つめの買い回りショップ数によるポイント倍増効果で、楽天市場ではほぼ毎月同イベントが開催されているので、そのタイミングにあわせてふるさと納税をすることがお得なふるさと納税の第一歩かと思います。

支払方法の最適化

こちらは上記の納税方法に連動するため、楽天ふるさと納税を利用する場合においてという前提ですが、楽天カードによるクレジットカード払い一択です。楽天ふるさと納税楽天カード払いにすることにより楽天ポイントが倍増するため、楽天カード以外の支払いは非常にもったいないです。クレジットカード比較サイトでも紹介されているとおり、楽天カードは還元率が高く、年会費も無料であり、上述のとおり楽天ポイント楽天Payの普及に伴い実質キャッシュと同等になっていることからも非常に使い勝手がよくなっています。

返礼品の最適化

こちらについては、趣味嗜好に依るところが多く、一概には申し上げられないところではありますが、楽天ふるさと納税の良いところとしてレビューが多く、意外に思われるかもしれませんが信頼性も高いということが挙げられます。目安としてレビュー件数30件以上で4.5以上のものは基本的にはずれがないです。

 

以上、ふるさと納税制度が始まって以来毎年30万円以上のふるさと納税を行ってきたふるさと納税オタクが実践しているお得なふるさと納税方法をご紹介させていただきましたが、こういう観点が抜けている、もっとお得な方法があるという方は是非コメントいただけると非常に嬉しく思います。私も発見できていない新しい情報もあると思いますので、みなさまふるさと納税ライフを楽しみながら情報交換していきましょう。

プライベートエクイティファンドの給与水準|ベースサラリーとキャリーについて

プライベートエクイティファンドへの就職・転職における選考プロセスやその中での面接スキルチェック下記別記事において例示しているが、本記事ではPEファンドにおける年収水準や給与体系について、PEファンドへの転職を検討されている方々への参考までに概要についてご紹介する。

プライベートエクイティファンドの給与体系

当然ではあるが、それぞれのファンドによって給与体系や水準については異なっているため、一般的なものとして参考までの情報としてご理解いただければと思う。

一般的なPEファンドの給与体系は以下で構成されることが多い。

 ①ベースサラリー + ②ボーナス + ③キャリー

以下ではそれぞれについて考え方をご紹介する。

ベースサラリー

ベースサラリーは所謂毎月の給与のことであるが、一般的にPEファンドの給与体系は年俸制であることが多いため、ベースは年俸の1/12となる。水準については後述するが、一般的には外資投資銀行よりも低い。

ボーナス

ボーナスについては、これも一概には言うことはできないが、ベースの20-50%というところが多い。また、業績連動型ボーナスとなっているファンドもあり、その場合は後述するキャリーがない場合もあるが、キャリーとは別に給与報酬という形でリターンの一部を得ることができるファンドも存在する。

キャリー

キャリーについては役職(パートナー、ディレクター、アソシエイトなど)やファンドの方針によって分配比率が大きく異なり、水準感はかなりの幅がある。しかしながら、ファンドの運用成績次第では、億単位のキャリーが得られることも珍しいことではなく、キャリーの存在がPEファンドの給与水準を外資投資銀行と同等若しくはそれを超える水準に引き上げている。

プライベートエクイティファンドの年収

PEファンドの給与水準については以下の考え方からある程度推定できるうえ、求人情報に給与水準を記載しているファンドも多いため数字自体にあまり目新しいものはないと思われるが、考え方とあわせて記載する。

PEファンドの収益源はマネジメントフィーと売却益(の一部)から構成され、それを運用するメンバーで分け合うことになるため、一般的にはファンドサイズが大きく投資プロフェッショナルが少ないほど給与水準は高くなる傾向にある。外資系ファンドの給与水準が高い傾向にあるのはそのため(ファンドサイズが大きくメンバーが少ない)である。日系のPEファンドにおいてもファンドサイズが大きいところのほうが給与が高いことが多い。

ベースサラリー

ベースは役職によって異なるが、日系では以下のような水準である。

アナリスト~アソシエイト:700万円から1,200万円程度
シニアアソシエイト~ヴァイスプレジデント:1,000万円から1,600万円程度
ディレクター・プリンシパル:1,500万円から2,500万円程度
パートナー・マネージングディレクター :2,500万円から4,000万円程度

外資系では日系の1.5倍以上の水準が一般的と思われる。

ボーナス

ボーナスは上記ベースの20~50%程度のところが多く、少し幅があるが以下のような水準である。

アナリスト~アソシエイト:200万円から500万円程度
シニアアソシエイト~ヴァイスプレジデント:300万円から800万円程度
ディレクター・プリンシパル:500万円から1,500万円程度
パートナー・マネージングディレクター :1,000万円から2,000万円程度

ベースと同様、外資系では日系の1.5倍以上の水準が一般的と思われる。 

したがって年収ベースでは、以下のようなイメージである。

アナリスト~アソシエイト:1,000万円から1,700万円程度
シニアアソシエイト~ヴァイスプレジデント:1,300万円から2,400万円程度
ディレクター・プリンシパル:2,000万円から4,000万円程度
パートナー・マネージングディレクター :3,500万円から6,000万円程度

キャリー

キャリーについては、ファンドの方針や役職によって分配比率が大きく異なり、運用結果に左右ため一概に水準を述べることは難しいが、考え方に沿って一つの例示を行うと以下のような水準となる。

500億円のファンドが5年間で2倍となった場合、ファンド(GP)が得るキャリーは一般的には100億円程度であり、それをファンドの運用メンバーで分け合うことになる。メンバー間の分配比率はファンドによって大きく異なるが、ディレクタークラスで1-2%、パートナークラスで5-10%程度(人員構成によっても異なる。アナリストも含めて全員に分配するファンドも存在する)とすると、ディレクターで1-2億円、パートナーで5-10億円程度のキャリーが得られる。

キャリーは譲渡所得となるように設計されていることが多いため、手取りベースでは外資投資銀行よりも多くなる可能性もあり、バイサイドの仕事自体の魅力とあわせて外資投資銀行外資系戦略コンサルのネクストキャリアとして人気がある所以である。

 

以上がプライベートエクイティファンドの給与体系・年収である。プライベートエクイティの仕事は知的に非常に魅力的であることはさることながら、キャリーにより外資投資銀行並みの給与を得ることも可能となっている。PEファンドの仕事にご興味を持たれた方は、別記事でプライベートエクイティ業界に関する書籍及び財務知識に関する書籍や転職にかかるTipsをご紹介しているのでご参考にしていただきたい。

 

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体験記・口コミレビュー|七田式体験教室の内容と実際に使った教材について

こちらの記事で触れていた七田式の体験教室に行ってきたので、自身の備忘のためにも内容をまとめてみる。なお、教室内は撮影、録音は禁止であったため、記憶の限りであることをご容赦いただきたい。また、教室によっては異なる内容である可能性がある点ご了承いただければと思う。

七田式とは

体験教室やホームページ、パンフレットから得た知識で恐縮であるが、七田式について簡単にまとめる。

七田式教育は、子供が本来持っている才能を引き出すための教育。知識を詰め込むのではなく、親の愛情をしっかりと伝える「認めて ほめて 愛して 育てる」心の教育を実践する。

島根県の小さな町からスタートした七田式教育は、七田眞氏が教育研究所を開いてから60年以上たった現在、その成果が認められ、現在は日本を含めて世界19の国と地域で展開しているとのこと。世界中で約5万人の子供たちが七田式教育で学び活躍している(2018年12月現在)。

以下は、パンフレットに記載されている七田式教育の概要である。

 

最大の目的は心を育てること

幼児教育というと、幼児期から難しい知識を与える教育であると思われがちであるが、幼児期に見まず行うべきことは、心の教育である。

心の教育とは、優しさや自主性などの人間性を育てること。そうした人間性がしっかりと土台となっているからこそ、たくましく成長することができる。

どれだけ高い能力があっても、その能力を他人のために使える心がなければ、他人と尊重しあえる人間関係を作り上げることはできない。そして、自分のためだけでなく、他人のために能力を使う心があるからこそ、何かを達成するための力を得ることができる。

人間性を育てるためには、愛情豊かな環境を整えることが大切である。自分が無条件に愛されていると感じられた経験は必ず自信となり、失敗を恐れず物事に打ち込むことができるようになる。

他社からの愛情を受け取り、そしてそれを伝えていくこと、それこそが子供たちのすべての能力の源となる。

 

バランス良く脳を育む全脳教育

人間の脳は、右脳と左脳の二つに分かれている。大人は一般的に左脳が優位に働いており、物事を言語的に理解し表現することに長けている。その一方で、左脳の記憶力には量的・時間的な限界があり、大量のモノを長期的に記憶し続けることができない。

それに対して、右脳は3歳程度まで優位に働いており、物事をイメージで取られる脳であるため、理屈を理解せずとも吸収することができ、一度に大量かつ高速で、しかも忘れることなく記憶し続けることができる。

全脳をバランス良く育むことで、人間が本来持つ優れた能力を引き出すことができる。

 

幼児期こそ能力を育てる最大のチャンス

年齢が低ければ低いほど、働きかけたことを苦労なく吸収することができ、能力を引き出すことができる可能性が高いという「才能逓減の法則」というものがある。できるだけ早い時期から働き掛けを行うことが、能力を育てるためのポイントになる。

 

子供を見る目が変わる子育ての三種の神器

「愛」「厳しさ」「信頼」の三つ。

「愛」について、子育ての基本は親が子供に正しく愛を伝えること。親の愛情は思っている以上に子供には伝わりにくい。プラスの言葉がけや抱きしめなど、言葉や行動で愛情をしっかりと伝えることが大切。

「厳しさ」について、愛情を与えることとは子供を際限なく甘やかすことではない。良くないことをしたときには、良くないとしっかりと伝えることで、自分の欲望や感情に打ち勝つ意志の強さを育てる。

「信頼」について、子供のことを思うにあまり、どんなことでも手を貸したくなってしまうこともあるかもしれないが、親から何かを任せられたということもまた、子供にとっては大切な経験となる。目は離さず手を貸して子育てに臨むべきである。

 

七田式の体験教室

実際に私と私の子供が体験してきた七田式の教室の内容を記憶の限り記載する。

通常は先生1人に対して子供5~6名で50分間の授業ということだが、今回の体験教室は1対1で20分間であった。

アジェンダは以下のとおりである。

  • 挨拶のうた
  • 自己紹介
  • 今日は何の日
  • キューピーで目の筋力・空間認識力・短期記憶を高める
  • シール剥がし
  • 積み木遊び
  • 深呼吸・目を閉じる練習
  • そろばん
  • フラッシュカード
  • ひらがなブロック
  • お別れのうた

それぞれ簡単に内容と教育としての狙いを記載する。

 

挨拶のうた

授業を始める前にみんなで挨拶のうたを歌う。先生やお友達と挨拶する内容の七田式オリジナルソングのようである。挨拶はコミュニケーションの基本であり、幼児期から学ぶべきものである。

 

自己紹介

自分の名前、年齢などの自己紹介をする。こちらもコミュニケーションの基本であり、個人的には幼少期に学んだ記憶がないので、意味のあるものではと感じた。

 

今日は何の日

授業の日の西暦、和暦、何月(月の異名も)、何日、何曜日、祝日等何かある日であればその名称を音読する。

生活の基本用語をインプットするためのようである。

 

キューピーで目の筋肉・空間認識力・短期記憶を高める

小さなキューピー人形を使って、左右前後の目の運動を行い目の筋力を鍛える。

次にキューピー人形の前や後ろに手を置いて、前後の空間認識力を高める。

最後に、両手のどちらにキューピー人形が入っているかのゲームを行い、短期的な記憶力を高める。

 

シール剥がし

色々な形をしたマジックテープでくっつけたり剥がしたりできるシールで遊ぶ。

くっつけたり剥がしたりする動作は指先の動きが成長しないとできない動作であり、その成長を促す。

 

積み木遊び

積み木を使って、数をかぞえたり、お皿から容器に移動させたりして遊ぶ。

数は絵本等よりも実際にさわることができるものをつかって教える方が幼少期には良いとのこと。

また、幼児にとって物をつかむことは簡単であるものの、それを移動して目的の場所で離す動作は一段難しい作業であるようで、その特訓となる。

 

深呼吸・目を閉じる練習

親と子供が一緒に深呼吸や目を閉じる練習をした。この練習の狙いは、集中力の回復や親との一体感をつくるためとのこと。

 

そろばん

所謂算盤ではなく、幼児用の10~100玉のそろばんを使って数を理解させる。加えて、足し算や引き算の考え方も学ばせる。

そろばんは七田式以外にもいろいろなところから出ており、そこまで高価なものでもなく単純なおもちゃとしても利用できるため、ひとつ持っておいても良いのではと思う。

フラッシュカード

有名なでフラッシュカードでとにかくインプットをさせて、速いスピードで情報をあたえることで右脳を刺激するとのこと。

数、様々な語彙(例えば、授業の月の旬の食べ物等)、音階、国旗、大小、英語に関するフラッシュカードを使って、先生がひたすらカードをめくりそこに書かれている絵の内容を話していた。

正直フラッシュカードの意義をまだ理解しきれていないが、Amazonでも安価に手に入るため、一度試してみようかと思う。

 

ひらがなブロック

五十音については、大きなレゴのようなブロックを使って学ばせる。

同時にブロック遊びにより手先の運動にもなり、脳を活性化させながら覚えさせるよう。

 

お別れのうた

最後に、また来週も会いましょうという内容のオリジナルソングで締めくくられる。

 

以上が私が実際に体験してきた七田式の授業の内容である。

20分間であったが、怒涛の勢いでそれぞれのカリキュラムが流れるように進行していき、大人でも戸惑うスピード感であったが、幼児の集中力は年齢+1分といわれているので、集中力が途切れないように次々と異なる内容の教材を利用するのだそうだ。

料金は、入室に2万円程度、毎月2万円程度ということで決して安いとは言えないと思う。但し、フラッシュカードをはじめ、動画では得られない体験は確かに子供にとっては大きな刺激になるように感じられた。この体験にどれだけ投資できるかは個人の判断になると思うが相応の価値はあるのだろう。

 

時間に余裕のある方は、上記でもご紹介したように七田式の教材は公式サイトや楽天等を通じて購入することもできるので、ご自身で授業をされてみても良いだろう。

出産前に購入して良かったもの|ベビーベッド・おくるみ・プレイマットなど

本記事では、出産前に購入して良かったもの、実際にはあまり使わなかったものについて、主に利用期間や頻度の点から評価してみたい。なお、完全に個人的な経験の基づくもののため、全ての方に当てはまるものではないことをご了承いただきたい。

出産前に購入したもの

実際に私が出産前に購入したものは以下のものである。

毎日使うもの

ベビーカー(A型)

ベビーカーは、一般財団法人製品安全協会が定める基準において、A型と呼ばれる生後1か月から寝かせた状態でも使えるベビーカーと、B型と呼ばれる生後7か月以降で座った状態で使うものがある。

B型はひとりすわりができるようになる頃から利用するものであるため、最初は外出可能な生後1か月から使用可能なA型を購入することになる。但し、店頭に行かれるとお分かりになると思うが、A型にもさまざまな特徴のものがあり、さらにはAB型と呼ばれる生後1か月から使用可能なB型タイプも発売されていることから、どれを購入すれば良いかとても頭を悩まされることになるだろう。

個人的にはAB型は、総コストは抑えられるものの、B型の重要ポイントである重量がどうしても重くなってしまい、またB型は安価なものもあるので、おすすめしない。そのため以下は全てA型を前提とした記載内容である。

経験者として振り返った際に、私が考える購入時の検討項目としては、以下のとおりである。

  • 価格
  • 操作性(ハンドリングのしやすさ、段差の乗り越えやすさ)
  • 安全性
  • 重量
  • 折りたたみやすさ

第一項目は価格である。A型ベビーカーは使用期間が約6か月と比較的短く、毎日利用する可能性もあるものの利用しない日も当然想定されるため、使用回数を90回(期間6か月、2日に1回利用)とすると、A型ベビーカーの平均価格帯である4~5万円を使用回数で割ると1回あたり約500円と意外に高額となる。もちろん大事な赤ちゃんを守るものなので、ただ安いものを購入するべきではないが、A型ベビーカーは安全性や操作性が価格とあわせて重量とも相関関係があり、高くて軽いものは操作性が悪かったりするものもある。逆に重量はそれなりであるが、安価でしっかりとした作りのものもあるので、是非店頭で色々と試していただきたい。

第二項目は操作性である。各社特色があり好みの問題もあるので、実際に試されてしっくりくるものを選ばれるのが良いが、日本は小さな段差が意外と多く、狭い道もあるのでハンドリングがしやすく段差が容易に越えられるかは、重要な検討ポイントと考える。

第三項目は安全性である。これは言うまでもなく赤ちゃんを守るものなので、安全性は高いに越したことはない。一方で、前述の一般財団法人製品安全協会が定めるSG(Safe Goods/安全な製品)マークがついているものを選んでおけば、大きな差はないと考えられる。

第四項目の重量は、当然軽い方が移動時の負担は低くなるが、A型を利用する時期は赤ちゃんも首が座っていない期間もあるので折りたたんで運ぶことも少なく、重量に関する重要度はあまり高くないと考える。

最後の折りたたみやすさも、お店やレストランでは折りたたむことを要求されることもあるため、折りたたみやすいことに越したことはないが、重量同様重要度は低いと考える。

もちろん、見た目やブランド等上記以外の点も考慮すべき点であるとは思うが、個人的には以上の点が重要と考える。赤ちゃんができたときをイメージする良い機会であるので、是非夫婦で店頭に足を運んで色々と試していただきたい。

ベビーベッド

ベビーベッドも様々な特徴のものが各社から出されており、悩まれることが多いと思うが、一般的に2歳ごろまで毎日利用するものであるため使用回数は多く、期間24か月で毎日利用すると使用回数は720回になり、ベビーベッドの平均価格帯である2~3万円を使用回数で割ると1回あたり約40円と意外に安価である。したがって、価格の重要度は低く、その他の検討ポイントを重視して良いと考えられる。

個人的なベビーベッドの検討ポイントは以下と考えている。

  • 素材
  • 大きさ
  • 高さ 

ベビーベッドの機能として何か所開くかというものがあるが、自分が「ヤマサキ スリーオープンベッド b-side(ビーサイド)DX/ダークブラウン」を購入した経験から申し上げると、スリーオープン型(三か所が開くタイプ)は便利であるものの、同時に開くことは一度もなく、基本的には一か所のみを開いて利用していた。三か所が開くのでレイアウトの自由度は高いが、現時点でどの場所にベビーベッドを置くか決まっているのであれば一か所若しくは二か所が開くタイプで十分である。

まず素材で方向性が大きく変わる。木製のものを選ぶか布製のものを選ぶかである。木製の利点は、非常に作りが堅牢で高級感があるところである。安全性という点では、赤ちゃんが柵に頭をぶつけることもあるので、布製に劣る部分である。一方で布製はぶつかっても安全ではあるが、取り外して洗うことができない部分も多く、簡単に拭き掃除で清潔さを保てる木製に比べて、やや劣る部分である。

大きさはお住いのスペース次第であるが、一般的なレギュラーサイズとマンション向けにコンパクトサイズがある。コンパクトサイズでも寝返りできなくはないと思われるが、寝返りの際にぶつかって起きる可能性もあるので、可能であればレギュラーサイズを選ぶことをおすすめする。

高さについては、赤ちゃんが寝る高さを大人のベッドとできるだけ近い高さとなるようにすると添い寝がしやすいが、おむつ替えには高い方が腰への負担は低くなる。おむつ替えはベッドだけでなくプレイマットやクーファンなどの上でも替えることが多いので、添い寝しやすい高さになることを重視するほうが良いと思う。

おふとんセット

おふとんセットは正直申し上げて、実際に手に取ってみても各社の違いはほとんど分からないため、必要なものがセットとして入っていること、肌に触れるものはコットン100%であること、防ダニ加工であること、丸洗いできることが重要と考える。

価格についても色々と幅があるが、ベビーベッドと同様一般的に2歳ごろまで毎日利用するものであるため使用回数は多く、期間24か月で毎日利用すると使用回数は720回になり、おふとんセットの平均価格帯である2万円を使用回数で割ると1回あたり約30円と安価である。したがって、価格の重要度は低く、その他の検討ポイントを重視して良いと考えられる。

必要なものとしては、枕、枕カバー、掛布団、掛布団カバー、敷布団、防水シート、汗取りパッド、敷布団シーツである。これに加えて、タオルケットや毛布があればなお良い。

防ダニ加工や綿100%であることは赤ちゃんの肌を守るうえで重要である。加えてよだれや吐き戻し、おしっこやうんちで汚れることも多く、赤ちゃんは汗も良くかくので、丸洗いできるものが必須と考える。

抱っこ紐

抱っこ紐は有名ブランドが限られているが、感覚的には高価であるので、父親としては購入するのに躊躇した思い出がある。しかしながら、今振り返ると非常に利用頻度は多く、移動時だけでなく寝かしつけにも活躍するため、購入して良かったものベスト5に入ると思う。

実際計算上も、一般的に1歳半ごろまで毎日利用するものであるため使用回数は多く、期間18か月で毎日利用すると使用回数は540回になり、抱っこ紐の平均価格帯である2~3万円を使用回数で割ると1回あたり約50円と意外に安価である。

私のおすすめは、新生児から使用可能なエルゴベビーのオムニ360である。是非父親の皆さんも母親に代わって抱っこ紐を利用して赤ちゃんとの交流をしていただきたい。 

 

 

おくるみ

おくるみといえばaden+anais(エイデンアンドアネイ)というほど、エイデンアンドアネイのモスリン・スワドルは非常に人気で、おそらく目にしたことがある方も多いだろう。  

おくるみは新生児を包むだけでなく、大きくなってもブランケットとして利用したり授乳ケープとして使用したりと色々な方法で活用することができる。また、良くお祝いでいただく品でもあるが、汚れることも多く何枚あっても嬉しいので、私は自分でも購入した。

ベビーバス

ベビーバスも各社から色々な商品が出ているが、私は色々なサイトを参考にリッチェルのものを購入した。理由は、折りたたんで仕舞えること、素材がやわらかく安全であるという観点からであったが、毎日利用するものであるので実際は出しっぱなしにしており、安全性という点も赤ちゃんは自分で支えているので素材はあまり関係なかったことから、次回は楽天での評価の高い永和のものも検討対象としたいと思う。

価格については、3か月ごろまでは毎日利用するものであり、使用回数は90回になり、ベビーバスの平均価格帯である2千円を使用回数で割ると1回あたり約20円となる。 

 

バスタオル・バスポンチョ

意外に購入して良かったものベスト5に入るのが下のようなバスポンチョである。

 

 赤ちゃん用のバスローブであるが、お母さんがひとりでお風呂に入れる場合はもちろん、父親が協力してお風呂に入れる場合も赤ちゃんの体を冷やさないようにすぐに拭いてあげる必要があるが、バスポンチョであれば短時間で包むことができバスタオルに比べて非常に扱いやすかった。見た目も可愛く今治タオルであれば肌にも問題ないと思われ、現在もとても重宝する品物である。

バスタオルは消耗品であるため、1年程度で買い替える必要があるかもしれないが、毎日利用するものであるため使用回数は365回となり、バスポンチョの平均価格帯である4千円を3枚購入し使用回数で割ると1回あたり30円程度となる。

1枚4,000円は、それなりにバスタオルとして高価ではあるものの、単価は安価であり非常に便利であるため購入する価値はあると思う。

授乳クッション

授乳クッションは、授乳の際に必ず利用するだけでなく、そのまま赤ちゃんが寝てしまった場合の枕として使ったり、お母さんが妊婦の間の抱き枕としても利用できるので長期間にわたって高い頻度で利用する。そのため、授乳クッションの平均価格帯である数千円を想定使用回数で割ると一回当たりの単価としては数円であり、価格は特に気にせず気に入ったものを購入すれば良いと思う。

形や大きさ、素材にバリエーションがあるため、色々と検討して購入すべきと思うが、経験者の意見としては、非常に汚れる頻度が高いので、カバーだけでなくクッション自体も丸洗いができるものがおすすめである。我が家は以下を利用している。

 

スリーパー

夏は利用する機会はないが、肌寒くなる秋ごろから3月ごろまでは、スリーパーが大活躍した。スリーパーとは、赤ちゃんが寝る際に使う寝袋のようなものであるが、寝返りをしてもはだけることがなく、自分の手足がぶつかって起きることもなくなったので、これを使ってから夜中に起きる頻度が格段に減少した。こちらも購入して良かったものベスト5に入るものである。我が家ではプチバトーのジゴトゥーズを愛用している。

プレイマット

生まれて間もなくはあまり恩恵を感じられなかったが、生後3か月ごろから歩き回るようになるまでは非常に役に立った。こちらも購入して良かったものベスト5に入るものである。

素材、大きさ、厚みなどのバリエーションがあるが、実際に私が使っていた以下のものが間違いなく一番良いと思う。 

 一般的なパネル型のプレイマットに比べて非常に高価に見えるが、例のごとく単価を計算すると、1歳ごろまでは毎日利用するものであるため使用回数は365回になり、2万円程度するものの使用回数で割ると1回あたり約60円となる。

お薦めする点は、厚みとほどよい弾力性、継ぎ目がなく床が汚れないこと、拭くだけで汚れが取れ清潔感を保てること、耐久性が高いという点である。

赤ちゃんは思っている以上に頭を床にぶつける。また、よだれを垂らしたり、思わず吐いてしまったり、うんこやおしっこがついてしまったりする。これらに日々耐えてくれるプレイマットはそれなりに高級なものを使用しても良いのではと考えている。

サプリメント

妊娠が分かったタイミングから、母親には葉酸等の栄養素をしっかりと取ってもらいたい。別記事にてサプリメントについてまとめているので、ご参考にしていただければ幸いである。 

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ハイローチェア

我が家では利用することはなかったので、必要かどうかの判断は難しいが、一般的に利点として挙げられている、①寝返りをうつまで移動式の簡易ベビーベッドとして使える、②ちょっとしたタイミングに赤ちゃんを寝かせておける場所として使える、③食事をあげる用のベビーチェアとして使える、というものは①②はプレイマット上で足りるし、③は専用のベビーチェアを購入する方が断然良いと思われる。平均価格帯も3万円程度と高価であり、使用期間や頻度もあまり高いわけではないので、購入は慎重な検討をおすすめする。

バウンサー

ハイローチェアと同様我が家では利用することがなかったので、こちらも必要かどうかの判断は難しいが、寝返りができるようになってくるとバウンサーに大人しく寝転がっていてくれなくなってくるようであり、使用期間が限られてくる。平均価格帯はハイローチェアよりも低いものの1万円程度はするものであり、別のものに予算を振り分ける方が良いのではと思う。

衣服類

衣服類としては、一般的には以下のものが必要と言われている。

  • 短肌着
  • コンビ肌着・長肌着
  • カバーオール・ドレスオール
  • ロンパース
  • ソックス
  • ミトン
  • 帽子
  • スタイ
  • (夏であれば)汗取りパッド
  • (冬であれば)防寒具

基本的には新生児から3か月くらいまでは数回着るとサイズアウトしてしまうので、あまりこだわらずに赤ちゃん本舗ユニクロ等でセットをまとめて買ってしまうのが効率的である。ミトンは寝ている間に顔を掻いてしまうのを防止するのに重宝した。

日用品

つめきり

赤ちゃんの爪は非常にやわらかく、一方で伸びてくると掻きむしった際に顔などを傷つけてしまうので、爪切りは必須である。爪切りは以下のピジョンのものが、1歳ごろまで長く使えるうえに安価なのでおすすめである。 

 

体温計

何かしら体調の変化に気づいた際には取り敢えず体温をはかってみるのが赤ちゃんの体調を確かめるうえで必要なことになる。そのため、赤ちゃんが嫌がらずに済む短時間で計測ができるもので、それなりの精度が出る体温計が求められる。

1秒や2秒で計測できるものも発売されているが、精度に若干疑問が残るので、15秒程度で計測できるものが丁度よいのではと思う。

 

湯温計

お風呂の温度を計測するためのものであるが、数回入れると自分の手で熱くないかは判断できるし、わざわざ毎日計測することに面倒くささを感じてしまうので、購入する必要はなかったと感じるもののひとつである。

哺乳瓶等

我が家は基本的には母乳で育てているので、哺乳瓶を利用する機会はほぼなかったが、ミルクを利用される家庭であれば必須であろう。哺乳瓶だけでなく、乳首、洗浄用具、消毒剤などいろいろとそろえる必要がある。

 

 

以上が出産前に購入して良かったもの・いらなかったものについての、完全に個人的な意見である。赤ちゃんには個人差があるし、両親にも好みがあるので一概には言えないが、ひとつの参考情報としてご活用いただければ幸いである。

乳幼児の教育について|Mensaがおすすめする習い事・教育法

実際に自分がこれから育児をするにあたって、ギフテッドのような先天的な天才児であれば別であるが、私個人はそうではなく、教育によって高いIQや現在までの学歴や経歴を獲得してきたように思うので、人生に様々な選択肢を与える意味で自分の子供にもそのような教育をしてあげられればと考えている。

そのような考えの中で、多くの育児本を読み漁ったうえで、個人の経験や大学及び大学院、職場において一般的に高度な教育を受けてきた人たちに対するヒアリングに基づき、乳幼児期の教育について、ある程度の傾向や共通点を自分なりに見つけたので、主観的な内容が多く含まれるが、以下にまとめてみる。

乳幼児教育一般について

乳幼児期の教育といえば、知育、音楽教育、芸術教育、語学教育、スポーツ教育、その他情操教育があると思われるが、私のまわりで何も受けていなかったという人は一人もいなかった。逆に全ての人に共通する教育があったわけではなかったが、上記の中では知育を重視した幼児教室とピアノに代表される音楽教室に通っていたという人が大部分であった。

私個人は、今は廃刊になってしまった学研の「科学」と「学習」を幼児期から小学校高学年まで購読、ピアノ教室に幼稚園から小学3年生まで、英会話教室に幼稚園から小学6年生まで通わせてもらっていた。

また、ノーベル経済学賞の受賞者でもあるシカゴ大学のジェームズ・ヘックマン教授が、下記書籍の中にもあるが、サイエンスに発表した研究において「就学後の教育の効率性を決めるのは、就学前の教育にある」「幼児教育の投資収益率は6~10%」と述べている。 

加えて、様々な脳科学の書籍には、3~6歳までに脳神経は完成するという記載もある。根拠としてはやや大雑把かもしれないが、統計的にも脳科学的にも乳幼児期に何かしらの教育をすることは脳に良い影響を与えることは明らかであり、特にどの育児本にも共通して述べられているのは、親からの愛情をこめたコミュニケーションが子供の脳の発達に寄与するというものである。

具体的に何をしてあげるかは、親の好みや周りの環境、経済的な面からも制約があるかもしれないが、自分の子供に何か教育をしてあげたいという気持ちを持つこと自体が、子供に対する重要な教育となっているということを頭において、常に愛情をもって子供に接していきたいと思う。

知育・幼児教室について

知育や幼児教室は、有名なもので公文式モンテッソーリ教育、七田式、ピグマリオン教育をはじめ様々な教育法や通信教育が巷では流行っている。自分で経験したものとしては、上記のとおり学研の通信教育だけであり、それがどう自分の知能に影響したかどうかはわからないが、毎月雑誌が届くことを非常に楽しみにしていた記憶があり、また付属の教材に実験系のものが多く、その頃の楽しかった思い出の影響により自分が理系に進んだという気がするので、何かしらの知的好奇心を満たすものを一定の期間継続することは重要であり、子供を理系に進ませたい方は自分で実験をしたいと思わせる環境を作ることが重要であるような気がする。

今は学研の「科学」及び「学習」は廃刊になってしまったので、とりあえず近くの幼児教室として七田式があったので無料体験に行ってきた。簡単に記事にしているので、ご興味のある方はご覧いただければと思う。

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語学教育について

自分が実感していることのひとつとして、英語で自分の意見を伝えることが非常に難しく、そしてビジネスにおけるグローバルコミュニケーションとしてはそのスキルが必須になってきているということがある。

現在の日本の教育では、今は少し変わってきているのかもしれないが、英語を読むことや書くことは少しできたとしても、(少なくとも自分は)伝えることができるようにならなかった。その要因の大きなひとつが、相手が何を言っているか分からないことであり、もうひとつが正しく発音ができず相手に伝わらないということである。

私は数か月という短い期間であるが、英語圏の国にビジネスで駐在していたことがあり、そのときに実際に上記のふたつを痛感した。ネイティヴの人間の話し言葉が理解できない、そして文法がそれなりに正しいはずなのに自分の話す言葉があまり伝わらないのである。自分としては、幼稚園から英会話教室に通い始めており、一般的な日本人と比較すると発音は良い方ではあると思われるが、それでも伝わらないことが時々あった。

ハワイ大学のマイケル・ロング教授の第二外国語の習得に関する研究によると、発音及びアクセントについては6歳以下で勉強をスタートさせる必要があると結論付けられているとのことで、早い段階での英語教育の開始はそれなりに意味があるのではと考えている。

私個人は、地方出身者であり、自分の家の近くで個人経営をされていた英会話教室に行っていただけであるが、東京等の大都市圏では様々な選択肢があるのでご検討いただきたい。

私の子供は、幼児が英会話教室に定期的に通うのは大変であるという判断で、3歳になるまでは七田式の英語教材を利用することにした。ご参考までにリンクを置いておく。

たった35日でうちの子が英語を話した!楽天4部門1位の英会話!<七田式>

 

音楽教育について

私個人も、幼少期からピアノを習っていたが、周りの一般的に超高学歴と言われる人間たちの80%が、男性も含めてピアノを習っていた。

だからといってピアノが子供の脳の発達や教育に役立つというわけではないが、「世界トップ機関の研究と成功率97%の実績からついに見つかった! 頭のいい子にする最高の育て方」にピアノのレッスンとIQの関係が記載されている。トロント大学のグレン・シュレンバーグ教授が発表した研究によると、ピアノレッスンを受けている子供のグループはIQの増加が他のグループの子供のIQの増加に対し手に有意に高かったとのこと。 

 

私の周りの人間からのヒアリングという少ないサンプル数やひとつの論文を根拠にピアノが絶対的に良いとは言えないが、少なくとも私の経験上、以下の3点はピアノを習っていて非常に良かったと考えており、自分の子供にも必ずピアノ(に興味をもたなければ他の楽器)を習ってほしいと思っている。

音感の獲得

小さなころから楽器に触れていると自然に音感を獲得することができる。私も完全な絶対音感ではないが、一度聞いた曲はピアノで演奏することができるレベルの音感を持っている。音感の獲得は、単純に歌がうまくなったり、作曲が簡単にできたりというだけでなく、耳から聞いた音を自分で再現する能力が高くなるので、語学におけるリスニング能力や発音にも良い影響がある。これは今後英語等のグローバルコミュニケーションが必要な世の中では重要なスキルとなると考えられる。

一人で努力する習慣がつく

ピアノの練習は非常に孤独で、何度も何度も繰り返し同じ部分を、右手、左手、両手と練習する必要がある。これを小さなころからやっていると、自分一人で何かを達成するために努力するという習慣が勝手についてくる。

三者に聞いてもらう経験を通じてやり抜く力や自己肯定感の醸成につながる

ピアノ教室に通っていると、定期的に発表会が行われる。発表会は、教室内での小さなものから上達してくるとコンクールに応募して発表するなど大小さまざまなものがあるが、第三者に自分の練習の成果を聞いてもらう非常に良い機会となる。発表会においては、(コンクールで大失敗をした場合は少し異なる状況になるかもしれないが)基本的には先生や両親、友達から褒められたり、喜ばれたりする経験を通じて、次の発表会への目標をやり抜く力や、今流行りの自己肯定感の醸成につながり、上記の練習の習慣とあわせて、勉強面でも必ず役に立つ。

特にピアノは、学校の音楽室には必ずある身近な楽器であり、学校の音楽の授業や音楽会で活躍できる点もピアノを習うメリットである。また、ピアノを習うと必ず楽譜が読めるようになるので、音感の獲得の効果も相まって将来他の楽器にも移行しやすい。

 

ピアノ教室については、自分が地方出身であり地元の小規模ピアノ教室に通っていたため自らの経験でなくて恐縮であるが、東京においては客層が非常に良いという周りの評判から「小林音楽教室」をおすすめさせていただく。

その他の教育について

その他の教育では、スポーツなどの運動教育や芸能系の教育が挙げられる。あまり周りの人間で小さな頃から何かのスポーツ活動や芸能系のスクールに通っていたという話を聞くことはできなかったが、社会性を身につけるためや子供の可能性を探るために可能な範囲で通わせることは有用だと考えられる。

全く別の話になるが、妻の希望もあって、息子を芸能系のスクールである「テアトルアカデミー 」の無料オーディションに応募した。テアトルアカデミーは赤ちゃんモデルに最も強い事務所ということもあり、無料のオーディションではあるものの、(一般的なスクールのない芸能事務所とは比べ物にならないほど合格率は高いが)それなりの選考倍率となっており、合格すると一定の満足感が得られる。子供の可能性を探る第一歩として、親の自己満足として、育児の一休みとして、色々な動機はあるかと思うが無料でプロの目から自分の子供を見てもらい評定をもらうことは中々ない機会なのでおすすめである。

 

妊娠時・授乳時におすすめのサプリメント|葉酸・Ca・鉄だけでなくDHA・EPAも

出産前に父親ができること・やるべきこと」の記事において、父親としてできることのひとつとして母親の栄養管理のサポートを挙げていたが、本記事では私が実際に購入して現在も使用している各種サプリメントをご紹介する。

おすすめのサプリメント

葉酸

なぜ葉酸が必要か

一つ目は水溶性のビタミンである葉酸に関するものであるが、厚生労働省は、妊娠を計画している女性や妊娠中の女性は通常の食事からの葉酸摂取に加えて、いわゆる栄養補助食品から400μg/日のプテロイルモノグルタミン酸(モノグルタミン酸葉酸)を摂取することを推奨している(気になる方はGoogleで「厚生労働省 葉酸 妊婦」で検索していただきたい)。

理由としては、葉酸を摂ることで、胎児の異常(神経管閉鎖障害)の発症リスクを減らすことができると考えられているためである。

サプリメントから葉酸を摂取すべき理由

私も栄養学や化学を専攻していたわけではないので詳しいわけではないが、葉酸は多様な構造で存在しており、中でも食品中の葉酸の大半は補酵素型の一炭素単位置換の「ポリグルタミン酸型」として存在している。一方で、厚生労働省が推奨する葉酸は、「モノグルタミン酸型」の葉酸であり、サプリメントに含有されている葉酸はこちらの構造のものが多い。

食品中のポリグルタミン酸葉酸も消化器官における吸収の過程でモノ型として吸収されるものの、利用率は50%程度と低く、水溶性であり調理過程で壊れやすく、通常の食事で上記の推奨量を摂取するのは困難である。

したがって、サプリメントによる栄養サポートが重要になるが、ひとつ気を付けたいのが、過剰摂取による影響である。葉酸についても、過剰摂取によって健康被害が報告されており、厚生労働省が公表する日本人の食事摂取基準において、栄養補助食品等、通常の食品以外から摂取されるプテロイルモノグルタミン酸の耐容上限量は900~1000μg/日とされている。そのため、一粒あたりの含有量があまり多くない点も確認する必要がある。

おすすめの葉酸サプリメント

上記及び下記で述べるDHAに関する考え方を踏まえて、私が実際に利用しているサプリメントは「ノコア(NOCOR)葉酸+DHA/EPAサプリ」である。一般的な葉酸サプリメントよりも割高ではあるものの、私の個人的な経験においてDHAの摂取の重要性を痛感していることに加えて、カルシウムや鉄分等の妊婦が不足しがちな栄養素を満たしているため、他のサプリメントを併用する必要がなく、結果的にはそこまでコストパフォーマンスに差がないという判断である。

DHAは別途他のサプリメントで補う場合は、カルシウムや鉄分が必要十分量含有されている「ピジョン サプリメント 葉酸カルシウムプラス 60粒入」もおすすめである。

 

鉄分・カルシウム

妊婦の不足しがちな栄養素としては、葉酸のほか鉄分とカルシウムが挙げられるが、こちらの栄養素については、上記の葉酸サプリメントを摂取すれば十分である。

それでもなお不足を心配される方は、個人的にも利用している「大塚製薬 ネイチャーメイド スーパーマルチビタミン&ミネラル 120粒」が他のビタミン等の栄養素も含まれておりコストパフォーマンスの観点からおすすめである。 

DHAEPA

妊婦の方に積極的に摂取していただきたい栄養素としてDHAEPAを挙げる。出所を記載できず大変恐縮であるが、DHAEPAは妊婦にとって大きく二つの効果があるようである。

DHAEPAの効果①:胎児や乳児の脳への効果

多くの育児本やWebサイトにも記載があるが、脳の一部の細胞はDHAEPAで構成されており、母親のDHAEPAの摂取量に応じて胎児や乳児に対して栄養素が届くとされているため、母親がDHAEPAを摂取することは胎児や乳児の脳に良い効果があるのではと考えられている。

また、他の記事をご覧になった方はご存知かもしれないが、私は比較的IQが高く、それなりに勉強もできたほうであった。その要因のひとつとしてDHAEPAの継続的な摂取があるのではと考えている。実際に私は、母親からすすめられて物心がつく前からDHAEPAサプリメントを飲んでいた。

明確な根拠はないものの、少なくともDHAEPAを摂取すると母親自身には良い影響があると考えられ、積極的に摂取するに越したことはないと思われる。

DHAEPAの効果②:妊婦のうつへの効果

富山大学等の研究結果において、血中のEPA濃度が高い人ほど抑うつ状態になりにくいという報告がされている。妊娠中や出産後に「気分が落ち込んで何もしたくない」いわゆる「抑うつ状態」になった経験をもつ女性は少なくない。

胎児の脳への効果だけでなく、パートナーである母親のためにも、DHAEPAの摂取をサプリメント等を利用してサポートすることが重要と思う。

おすすめのDHAEPAサプリメント

私が妻と一緒に飲んでいるサプリメントは「ネイチャーメイド スーパーフィッシュオイル 250粒」である。海外製のものでもう少し成分上のコストパフォーマンスが良いものはあるが、安心感から上記を10年以上愛用している。  

サプリメントに抵抗のある方も一緒に飲む、子供のために飲むということを考えれば受け入れられるようなので、夫婦の考え方次第ではあるが、サプリメントのサポートも借りながら、必要な栄養素を取って出産という大事なイベントまでの日々を大切に過ごしていただきたい。

 

プライベートエクイティファンドに転職するためのお薦め本2

プライベートエクイティファンドへの就職・転職における選考プロセスについては下記別記事において例示しているが、その中での面接スキルチェックにおいてはそれなりのレベルを要求されることがあるため、事前に書籍等で専門的な業界知識や財務知識、経営戦略や論理的思考の手法を学んでおくことは選考において有利となるだけでなく、シビアな選考の中で心に余裕をもたらしてくれる。

本記事では、私が選考の過程で参考にしたもの及びその後業務の中で役に立ったもののうち、経営戦略に関する書籍及び論理的思考能力に関する書籍をご紹介する。

経営戦略に関する書籍

経営戦略については、数々の書籍が出版されており、全てを読む必要はないが、戦略コンサルティングファーム出身者もおすすめしていた書籍を一覧でご紹介する。

 

以下は、言わずと知れたマイケル E.ポーターの競争戦略論である。非常に内容が多く、2冊にわたっているのでエッセンシャルだけをつかみたい方は、マイケル E. ポーターと近く仕事をしていたジョアン・マグレッタ著のエッセンシャル版を読まれると概要をつかむことができる。

 

MBAの教科書として良く採用されているジェイ・B・バーニーの企業戦略論である。古い本ではあるものの、示唆に富んだ内容であり、こちらもボリュームはあるものの非常に勉強になる本である。

戦略論の大家、リチャード・P・ルメルト著の戦略論に関する本も非常におすすめである。こちらは、某国内大手プライベートエクイティファンドの代表パートナーも推薦しており、一読する価値はある書籍である。 

その他、アフィリエイトサイトのようになってしまうので、リンクは割愛するが、ビジョナリーカンパニーシリーズやブルーオーシャン戦略シリーズ、クレイトン・M・クリステンセンの著書が良く読まれている印象である。

論理的思考能力に関する書籍

論理的思考能力については、戦略コンサルへの就職サイト等によく紹介されている書籍がPE業界でも良く読まれている。一応挙げておくと以下のものである。 

 

以上がプライベートエクイティの面接にあたっての知識獲得のために一読をお勧めする書籍である。別記事では、プライベートエクイティ業界に関する書籍及び財務知識に関する書籍をご紹介しているので、ご興味のある方はご参考にしていただきたい。

 

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プライベートエクイティファンドに転職するためのお薦め本

プライベートエクイティファンドへの就職・転職における選考プロセスについては下記別記事において例示しているが、その中での面接スキルチェックにおいてはそれなりのレベルを要求されることがあるため、事前に書籍等で専門的な業界知識や財務知識、経営戦略や論理的思考の手法を学んでおくことは選考において有利となるだけでなく、シビアな選考の中で心に余裕をもたらしてくれる。

本記事では、私が選考の過程で参考にしたもの及びその後業務の中で役に立ったもののうち、プライベートエクイティ業界に関する書籍及び財務知識に関する書籍をご紹介する。

プライベートエクイティ業界に関する書籍

日本語の書籍では最近出版された以下の本が、PEファンドの実務を概観することができる良書となっている。具体的な事例もいくつか掲載されており、面接で必ず聞かれる「なぜプライベートエクイティなのか」という質問に対する回答を深堀りして考えるきっかけになるだろう。また、スキルチェックにおけるケーススタディのストーリー作りにも役立つと思われる。

 

事例という観点からは、日本バイアウト研究所が出している以下に代表されるバイアウトにかかる書籍は業界知識の獲得に役立つ。シリーズで何冊も出ているので、全てを詳細に読む必要はないかもしれないが、興味のある業界や気になる事例があるものを購入して頭に入れておくと、面接の際にスムーズに回答ができると思う。また、事例の中には受験するファンドのディールの記載もあると思われるので、その内容は必読である。

また、外資系ファンドや大手国内ファンドを受ける際には、関連書籍や代表者パートナー等が著書を出版されている場合があるので、敢えて本記事には具体的な記載はしないが、そちらも必読である。

最後に上記からは若干立場の異なる書籍として、下記をご紹介する。本書はPEファンドの立場というよりは客観的な立場から書かれたものであり、PEファンドに対して一部批判的な内容も含まれているので、面接の最後の質疑応答の際の質問を考えるきっかけとなるだろう。

財務知識に関する書籍

財務知識については、一般的な財務会計やバリュエーションの書籍に加えて、プライベートエクイティでは株式取得時にレバレッジをかけて買収することが多く、M&Aファイナンスに関する知識も必要となる。バリュエーションについては、投資銀行とは異なり、DCF法等の複雑な手法は利用せず、基本的にはマルチプル法を使用することが多いので、基本を抑えられる書籍で十分である。M&Aファイナンスについては、スキルチェックに関する記事においてご紹介した書籍と重なるものもあるが、あわせて以下にご紹介する。

財務会計については、版を重ねている大先生方の書籍であればいずれでも基本を学ぶことができるので、書店で一度手に取っていただき読みやすさで決めてしまって問題ない。念のため以下にご紹介する。 

バリュエーションに関する書籍は、上記で述べたとおり基本書で問題ない。古い本であるが、以下が入門書としては最適である。

もう少し本格的に学ばれたい方は、以下の本がIB界隈ではよく読まれている。

M&Aファイナンスについては、スキルチェックの記事と重複になるものの、以下再掲する。 

以上がプライベートエクイティの面接にあたっての知識獲得のために一読をお勧めする書籍である。別記事では経営戦略、論理的思考に関する書籍もご紹介しているので、興味のある方はご参考にしていただきたい。

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出産後に父親ができること・やるべきこと|事務手続きから各種イベントまで

前回の記事では出産前に父親としてできること・やるべきことを、個人的な考えも多分に含まれるが、経験に基づいてまとめて記載した。

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本記事では、出産後に父親としてできること・するべきことをまとめてみる。

出産後に父親ができること・やるべきこと

出産に立ち会われた方も、そうでない方も、無事赤ちゃんが生まれてホッと一息つきたいところであるが、出産直後からやるべきことが色々とある。母親は出産後しばらく入院するため、その間に父親としてできることはやっておくべきである。今後の育児は夫婦の力を合わせてやっていく必要があり、その第一歩として下記の情報がご参考になれば幸いである。

出生届の提出

まず一番初めに、生まれた赤ちゃんの戸籍と住民票を新たに作成するために、出生届を提出する必要がある。内容は法務省のホームページのとおりであるが、以下に概要を記載する。

手続名 出生届
手続根拠 戸籍法第49条,第52条
手続対象者 父,母,同居者,出産に立ち会った医師・助産師等
提出時期 出生の日から14日以内(国外で出生したときは3か月以内。なお,国外で出生したときは,この期間内に出生届とともに,国籍留保届をしないと日本国籍を失う場合がありますので,留意してください。)
提出方法 届書を作成し,子の出生地・本籍地又は届出人の所在地の市役所,区役所又は町村役場に届け出てください。
手数料 手数料はかかりません。
添付書類・部数 出生証明書・1通
申請書様式 届書用紙(出生証明書と一体となっております。)は,市役所,区役所又は町村役場で入手してください。
提出先 子の出生地・本籍地又は届出人の所在地の市役所,区役所又は町村役場
受付時間 届出先の市区町村にお問い合わせください。
相談窓口 市役所,区役所又は町村役場
審査基準 民法・戸籍法等の法令に定めるところによります。
標準処理期間 届出先の市区町村にお問い合わせください。
不服申立方法 出生届の不受理処分がされたときは,家庭裁判所不服申立てができます(戸籍法第121条)。

具体的な記載方法は相談窓口のホームページ等でご確認いただきたいが、出生届には子供の名前を記載する必要があるので、届出日までに名前を決めておく必要がある。また、医師・助産師による記入が必要な出生証明書が必要になるため、こちらも病院に手続きを確認しておく必要がある。

子供の保険証の取得申請

次に子供の保険証の取得申請を早めにしておきたい。私個人の経験ではあるが、出産後の入院中に子供が治療を受けることとなり、その際に保険証が必要となった。申請から受け取りまでに、自治体にもよるが、1週間程度はかかるため、出来るだけ早めに(出来れば出生届と同時に)行っておくことをおすすめする。

項目 内容
手続対象者 父・母のどちらか(国民健康保険の場合は住民票が一緒の家族)
提出時期 原則1ヶ月健診まで(国民健康保険の場合、出生日から14日以内)
手数料 なし
提出時に必要なもの 母子手帳(「出生届出済証明」欄に記入があるもの)
届出人の印鑑
手続対象者の健康保険証
本人確認書類(運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど)
マイナンバーが確認できるもの
提出先 勤務先の窓口(国民健康保険の場合、住民票のある市区町役所・役場)

乳幼児医療費助成の申請

子供の保険証の申請にあわせて、子供の医療費にかかる自己負担分の免除等が受けられる乳幼児医療費助成の申請もなるべく早くにしておきたい。乳幼児医療費助成は、それぞれの自治体で内容は異なっているものの、すべての都道府県・市区町村で独自の助成が行われており、都道府県では「就学前まで」、市区町村では「15歳の年度末まで」の助成をしている自治体が多い模様。

項目 内容
手続対象者 保護者
提出時期 自治体によって異なる
手数料 なし
提出時に必要なもの 乳幼児医療証の交付申請書
届出人の印鑑
子供の健康保険証
本人確認書類(運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど)
マイナンバーが確認できるもの
(必要であれば)所得証明書等
提出先 住民票のある市区町村役所・役場

児童手当の申請

児童手当とは中学校卒業までの子供を養育している人に支給されるもの。

1ヶ月あたりの支給額は、0歳~3歳未満で15,000円、3歳~小学生で10,000円(第3子以降だと15,000円)、中学生で10,000円。所得制限にかかってしまった場合でも、当面は特例給付として子供1人あたり5,000円が支給される。

項目 内容
手続対象者 同一世帯の中で年収が最も高い者
提出時期 出生から15日以内
手数料 なし
提出時に必要なもの 児童手当・特例給付認定請求書
届出人の印鑑
手続き対象者の健康保険証
本人確認書類(運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど)
マイナンバーが確認できるもの
(必要であれば)所得証明書等
提出先 住民票のある市区町村役所・役場

出産育児一時金の支給申請

出産育児一時金とは、本人もしくは扶養されている人が出産したとき、加入中の健康保険から42万円(※)が支給されるというもの。出産する病院が「直接支払制度」に対応していれば、産院の窓口で健康保険証を提示し、制度を利用する旨の文書を提出するだけで良い。また、出産費用が42万円(※)以内に収まったなら、差額を健康保険側に請求すれば後日支給される。(※)産科医療補償制度に加入していない病院で出産した場合は40.4万円

なお、少しでも節約をしたければ、直接支払い制度を利用せずに退院時にいったん実費を病院にクレジットカードで支払い、以下の手続きを行うことで出産費用全額に対してポイントが得られる。

項目 内容
手続対象者 母親(父親の扶養になっている場合は父親が申請)
提出時期 出産した翌日から2年以内
手数料 なし
提出時に必要なもの 出産育児一時金支給申請書
直接支払制度に係る代理契約に関する文書の写し(直接支払制度を利用しない旨を示すもの)
出産費用の領収書
出生を証明する書類
提出先 会社の担当窓口(国民健康保険の場合は住民票のある市区町村役所・役場)

「直接支払制度に係る代理契約に関する文書の写し」については、出産する病院に依頼することで取得できる。「出生を証明する書類」についても出産する病院に発行してもらう書類となるので、あわせて依頼する必要がある。

出産手当金の支給申請

これについては、母親が自分の会社に対して提出するものであるので、詳細は記載しないが、提出書類の準備等必要に応じてサポートをするのが良い。

育児休業給付金の申請

こちらも出産手当金と同様、母親が自分の会社を通じて提出するものであるので、必要に応じてサポートをしよう。

確定申告における医療費控除の手続

出産をした年度においては、高額医療費控除制度(医療費などの自己負担額が10万円を超える場合には、超えた金額分の所得税控除が受けられる制度)が適用され得るので、各費用の領収書は捨てずに取っておき、確定申告に利用するべきである。

出産に関連する医療費控除の対象となる費用は以下のとおり。

  • 妊婦健診費
  • 分娩費、入院費
  • 通院時の公共交通機関(バス、電車等)の運賃
  • 出産時のタクシー代(バスや電車を利用することが困難な場合)
  • 入院時に病院が用意した食事代

公共交通機関の運賃については、領収書が出せないものもあるため、記録を残しておくことで良いという運用になっているようで(詳細は国税庁若しくは管轄税務署、税理士等に確認いただきたい)、エクセル等に記載をしておく必要がある。

お宮参り等のイベントの検討

今までの事項と少し毛色が異なるが、お宮参りや写真撮影等のイベントにかかる検討も父親のできることのひとつである。

お宮参りには独自のしきたり等があるので、両親等とも相談のうえ決めることが望ましいが、1か月検診後に設定するのが望ましい。

また、写真撮影については、第1子はどうしても撮りたくなってしまうものであるが、第2子以降のことを考え、本当に必要かどうかを判断するべきであると個人的には考える。お宮参りの写真撮影をすると、写真撮影へのハードルが下がってしまい、(私の家庭のように)その後のハーフバースデーや初節句の写真撮影もするようになる。もちろん想い出となり、写真撮影や出来上がったアルバム自体は非常に素晴らしいものであるが、安価なものではないので、しっかりと検討すべきである。

IPO実務検定試験合格への道|10時間で受かる!おすすめ書籍のご紹介

IPO実務検定試験について、あまりWeb上に情報がないため、私個人の勉強法や感想にはなるものの、以下にまとめてみたのでこれから試験を受けられる方々にご参考になれば幸いである。

IPO実務検定試験とは

日本IPO実務検定協会が認定する民間資格。協会によると『IPO実務検定は、上場準備に関する専門知識を持ち、上場準備を企業内部から支えることができる人材を早期に育成するべく創設された試験』とのこと。試験の合格だけを目指す勉強ではそのレベルに達するか疑問ではあるものの、公式テキストは非常によくできており、各テキストを熟読すれば上場準備の実務を遂行するにあたって必要となる知識を総合的、体系的に学ぶことが可能。IPO実務検定の受験勉強を通じて学べることは、投資銀行業務やプライベートエクイティファンドの業務においても直接役立つことはもちろん、これから上場準備の世界に身を置きたいと考えている未経験者や学生にとっても、上場を目指す成長企業に転職・就職するためのツールとしても役立つ。

試験内容

以下は、日本IPO実務検定協会のホームページからの引用であるが、最新情報については実際に日本IPO実務検定協会のホームページをご参照いただきたい。

標準レベル

  • 試験科目:「倫理・社会的責任」「制度・コンプライアンス」「上場準備実務」
  • 出題方式:択一式(60問)
  • 出題割合:択一式60問(「倫理・社会的責任」から5~10%程度、「制度・コンプライアンス」から30~40%程度、「上場準備実務」から50~65%程度)
  • 試験時間:60分
  • 試験方式:CBT(Computer Based Testing)方式(コンピュータ画面での試験方式)
  • 合格基準:70%以上の正答率(傾斜配点あり)

上級レベル

  • 試験科目:「制度・コンプライアンス」「上場準備実務」
  • 出題方式:択一式(60問)および記述式(3問)
  • 出題割合:択一式60問(「制度・コンプライアンス」から25~40%程度、「上場準備実務」から60~75%程度)及び記述式3問(「制度・コンプライアンス」及び「上場準備実務」から3問)
  • 試験時間:90分(択一式60分、記述式30分)
  • 試験方式:CBT(Computer Based Testing)方式(コンピュータ画面での試験方式)
  • 合格基準:70%以上の正答率(傾斜配点あり)※択一式の採点結果と記述式の採点結果の平均値(単純平均)により合否を判定

勉強法

過去問が公開されていない試験のため、過去問をたくさん解くことで合格ラインに達するという勉強法ができないが、日本IPO実務検定協会のホームページで紹介されているIPO実務検定試験公式テキストが非常に良くまとまっているため、こちらを一度通読のうえ、IPO実務検定試験公式問題集を何度か解くだけで標準レベルについては合格水準に達すると思う。上級レベルについても同様で、加えてケーススタディ・上場準備実務の書籍を何度か解くことで合格することができた。

IPO実務検定試験公式テキストは良くまとまっているものの、ページ数はそれなりにあるので、全てを暗記しようと読むのではなく、IPO実務の全体の流れをイメージできる程度に通読するだけで良い。問題を解く力については、標準レベルについてはIPO実務検定試験公式問題集を何度か解き、正答率を80%くらいにまで上げることができれば合格ラインに達しているだろう。実際の問題は、IPO実務検定試験公式問題集には出てきていない、IPO実務検定試験公式テキストに記載の細かな知識を問うものも当然あるが、常識の範囲内で解くことも可能な問題もあるので、初見の問題にも対応できるものは含まれている。上級レベルの記述式についても、ケーススタディ・上場準備実務の書籍に記載されている問題を解けるようにしておけば、択一式の知識とあわせて合格ラインには十分到達する。

しかしながら、冒頭にも記載のとおり、上記の勉強だけでは実務的に上場準備に関する専門知識を持ち、上場準備を企業内部から支えることができる人材には成り得ていないので、合格後もIPO実務検定試験公式テキストを何度も読み返し、辞書的に利用することをおすすめする。

おすすめ書籍

勉強法にも記載しているが、本試験のおすすめ書籍は公式テキスト及び問題集である。どの本も非常に良くまとまっており、実務者が読んでも役に立つ内容となっているので、IPO実務検定試験の合格のためだけでなく、今後IPOの実務に携わる予定のある方やIPO実務に興味を持たれている方々にとっても一度お手に取る価値はある書籍である。

 

出産前に父親ができること・やるべきこと|事務手続きからお宮参りなどのイベントまで

これから父親になられる方は、非常に大きな不安を抱えておられる一方で、出産までに何を準備すれば良いのか見当もつかず、具体的に行動に移されていない方も多いと思われる。実際私もそうだったのであるが、第一子が生まれてある程度落ち着いてきたので、第二子の際に慌てることのないよう自分自身の備忘録も兼ねて、これから父親になる方々へのご参考になるように、出産前に父親としてするべきことをまとめておく。

出産前に父親ができること・やるべきこと

めでたく妊娠が確認できた瞬間から、出産予定日までにやるべきことがどんどん迫ってくる。初めての場合はなおさら、仕事が忙しい中で不慣れなことに立ち向かうのは非常に骨が折れるものであり、奥さんの体調や気持ちも変動しやすくなるため、男性側でも対応できることは率先してサポートするのが父親としての最初の責務かと思う。今後の幸せな夫婦生活、家族生活のためにも以下の情報がご参考になれば幸いである。

妊娠の確認を病院でする

現在の妊娠確認薬は非常に精度が高く99%以上の確度で妊娠を確認することができるようであるが、正常な妊娠であるかどうかの確認を含めてできるだけ病院で正式に診断をしてもらうことをおすすめする。このときに行く病院は、出産する病院となるわけではないので、居住地の近くの産婦人科であれば特に問題ない。

但し、あまりに早く行くと診断ができないこともあるらしく、生理の予定日の1~2週間後に行くのが良いとされている。父親という観点からは、診断の際に大まかな週数も確認できるため今後のスケジュールを検討しやすくなること、改めて感動を夫婦間で共有できることから一緒に病院へ行くことが良いのではと思う。また、この診断以降出産にかかる妊婦検診は全て保険適用外となるので、後述する妊婦健康診査受診票が利用できるまでは、特に何か不安な事項がない限り通院する必要はないと考える。

出産する病院を決める

次に出産する病院をどこにするか、つまり現在の居住地の近くで産むか里帰り出産をするかを決める必要がある。里帰り出産をする場合は、予定日の1か月前程度から実家に帰省して、そのタイミングから出産する病院に通院する場合もあるが、基本的には出産する病院で妊婦検診を受けることをおすすめする。理由としては、何もないに越したことはないが、妊婦検診時に何かがあった場合等でそれが出産に影響を与える場合、出産時における対応をスムーズに連携してもらえるという点が挙げられる。

病院選びについては、アクセスがしやすいか、医師や助産師の評判はどうか、新生児治療に強いかどうか、無痛分娩に対応しているかどうか、LDR(陣痛分娩室:Labor Delivery Recovery)を利用できるか、出産後の入院期間はどの程度か、入院時の個室は選べるか、病院食は美味しいか等いくつも検討すべき項目があるが、夫としてはあまり口出しできる点はなく、奥さんが納得した選択ができるように情報を提供し、後述する出産費用を捻出できるように仕事を頑張るのみである。

一点だけ経験者が申し上げるとすると、立会出産ができる病院を選ぶべきだと思う。実際に立ち会うかどうかは、業務等の都合や夫婦間の方針があると思うので夫婦で話し合って決めるべきだと思うが、(詳細は別途記事にするかもしれないが)個人的には立ち会って非常に良かったので、選択肢として残すことを強くおすすめする。

妊娠届を提出し母子健康手帳等を受け取る

妊娠届を住民票のある自治体の窓口で届出を行うことで母子健康手帳をはじめとする出産までに必要な様々なものを受領することができる。例えば、妊婦健康診査受診票(妊婦健診を公費の補助で受けられる受診券、14枚分)や両親学級の紹介等各自治体における出産に関するサポート情報がもらえるため、早めに妊娠届を提出することをおすすめする。

なお、妊娠届には医師の診断書は基本的に不要で、妊娠を確認した病院名や医師名を記載するだけで届出が受理される。また、父親という観点からは、同世帯であれば委任状なく提出できるので母親のサポートとして代わりに届出をすることができる。

若干余談ではあるが、母子健康手帳は日本の乳児死亡率を世界一低くした理由としても評価されているようで、小さくそれほど厚みのあるものではないが、父親も読むべき内容が記載されているので、一度通読しておくことが良いと考える。

二人の時間を有効に使う計画をする

これは経験者であるからこそ強く思う事柄であるが、子供が生まれると基本的に子供が優先されるので、高級レストランや映画館等子供がいると行けない場所、海外等の長時間の移動をする必要がある旅行、花火大会や夜だから楽しめる場所等子供が寝る時間に行く必要のある場所は、出産後1~2年間は行けないと思っていたほうが良い。

加えて、今後は家族での行動になる。子供が寝静まったとき以外は二人の時間はほとんどないと言ってよいので、そういう意味でも二人の時間を大切にするべきである。

以上観点から、奥さんの体調次第ではあるものの、出来る限り二人での想い出を作るべく出産までの間の時間を有効に使う計画をすることをおすすめする。

母親の栄養管理をサポートする

胎児は母親から栄養を得る。つまり健康な赤ちゃんのためには母親が適切に栄養を取る必要がある。それには父親のサポートも必要となる。もちろん母親としても食事に気を付けて取るようになると思われるが、一方で自分が食べたいものが食べられなかったり、アルコールやカフェインの摂取を禁じられると、それがストレスとなって知らず知らずのうちに通常よりも過度に糖分や油分を取るようになったり、ビタミンやミネラル類が不足するような食生活になりやすい。

その点を客観的に父親がサポートすることが個人的には重要と考えている。私は、一緒に食事をする際はバランスの良い食事を取るようにしたり、(口うるさくならない程度に)どういう食事をしているか聞いてみたり、サプリメントをすすめてみたりしていた。特に妊婦が不足する栄養素である葉酸や鉄分、カルシウム等のミネラル類は、食事のみでの充足は難しい場合もあるので、サプリメントの併用が良いと考えている。加えて、子供の脳の成長に寄与すると言われているのが、DHAの摂取である。こちらも魚を積極的に取るほかサプリメントでの補給が良いと考えている。

私が実際に利用しているサプリメントこちらの記事にご紹介しているので、気になる方はご覧いただければと思う。

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妊娠線予防クリームを塗る

妊娠線とは、「妊娠によりおなかが大きくなっていく中で、皮膚が急激に引き延ばされるものの真皮や皮下組織は伸びにくいため断裂してしまって起こる赤紫の線状の痕」とのこと。原因は大きくふたつあるようで、ひとつは皮膚が急に伸びること、もうひとつはステロイドホルモンの影響で妊娠中は肌の弾力が極端に衰えている状態であることが挙げられる。以上のふたつの理由から、胎児が成長する過程で皮膚断裂が起こりやすく妊娠線ができてしまう。また、妊娠線は一度できると完璧に消し去ることはできず、美容皮膚科のレーザー治療を受ければ薄くすることはできるようであるが、確実に消せるとは限らないとのこと。

そのため、奥さんにとっては自分自身のことであるし、また夫にとっても今後の夫婦生活の観点から、妊娠線の予防は重要である。

妊娠線の予防としては妊娠線予防クリームを塗ることによる保湿がひとつの方法であり、これは奥さんが自分でやられることも多いと思うが、スキンシップのひとつの方法として、またお腹の中の赤ちゃんに話しかける良い機会と捉えて父親が塗ることをおすすめしたい。

両親学級に参加する

自治体や出産予定の病院が主催する両親学級への参加は、父親としての自覚や夫婦間のコミュニケーションのためにも参加をおすすめする。

良くある妊婦体験や講義の内容は正直申し上げてそこまで意義を感じられなかったが、赤ちゃんのお風呂体験と、グループワークによるその地域の同世代の親たちとの交流は意味があった。グループワークは同じ地域で出産予定日が近い方たちが集まるので、出産後も地域の児童施設で会うことになることから、情報交換等のためにも交流しておいて損はないように思う。

出産費用の概算をする

出産までには多くの費用が掛かる。妊婦検診費用や分娩費用だけでなく、入院費や通院にかかる交通費、陣痛時のタクシー代など基本的には出産一時金を上回るような金額がかかる。子供が生まれてからは次の項目で記載するように多くのモノが必要となり、お金をかければキリがなくなってくるので、父親としては資金計画をしっかりと立てておくことが心と生活の余裕につながる。

また、これらの費用は医療費控除制度を利用することにより、確定申告で一部還付金が得られるので、しっかりと領収書等を残しておくことが重要である。補助金等を含めた出産後の手続きについては別記事にまとめる予定である。

出産後に必要なものをリストアップして購入を始める

出産後にはたくさんのものが必要になるが、生まれてから検討し始めると意外と時間がなく適当なものを高い値段で買ってしまうことになりかねない。出産までには半年以上の時間があると思うので、必要なものはリストアップして計画的に購入していくことが良いと思われる。その中には、出産祝いでもらうことになるものも多く、特におくるみやスタイなどの定番品はもらう頻度が高い。すぐに買えるものではあるので、必要最低限の数を買っておくことで問題ないように思う。私が事前に購入したもの、その中で役に立ったもの、購入するまでは必要なかったように思ったものは別途記事にまとめる予定である。

 

以上が個人的に父親として出産までにできること・やるべきことの一覧である。次の記事では、出産時に父親ができること・やるべきことをまとめたい。

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プライベートエクイティファンドのスキルチェック

プライベートエクイティファンドの選考プロセスの一例は以下の記事にも記載したが、

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本記事では私が経験したいくつかのファンドの選考プロセスの中で実際にあったスキルチェックの内容をお伝えしたい。加えて、スキルチェックを乗り切る知識を得るための書籍等もご参考までにご紹介したい。

スキルチェックとは

プライベートエクイティファンドの選考プロセスにおけるスキルチェックとは、主にLBOモデルのテスト(モデリングテスト)と投資仮説のディスカッションの二つである。以下にそれぞれについて内容と対応策を記載する。

モデルテスト

プライベートエクイティファンドの選考プロセスにおけるモデルテストとは、財務モデリングのテスト、特にプライベートエクイティファンドが買収の際に用いるレバレッジファイナンスにかかるLBOモデルのテストが一般的である。

テストの内容はファンドごとに異なるため一概に言うことは難しいが、基本的にはベースとなるLBOモデルに対してある投資検討企業の財務数値を入力し、損益計算書貸借対照表キャッシュフロー計算書の3表を連動させることは当然のこと、事業計画の前提となるKPIの検討、対象企業の業種や事業計画の内容等から取得するレバレッジファイナンスの水準や返済計画、財務コベナンツの内容を検討する。

IB出身者や事業投資の経験者であれば財務モデリングには馴染みがあるので問題ないと思われるが、戦略コンサル出身者等企業買収の未経験者にはそれなりにハードルのあるテストだと思われる。完璧な結果を求められるわけではなく、ポテンシャルもみて判断するということだったのでそこまで構える必要はないと思われるが、対策をしておくに越したことはないと思うので、実際にIBやPEでも読まれている参考書籍を以下に挙げておく。

古い本ではあるが、LBOファイナンスの総論からストラクチャー、各種契約の内容まで網羅されており、極めて実務的な良書である簡単な財務モデルのサンプルも巻末に記載されており、(Excelファイルでなければイメージが湧きづらいかもしれないが、)未経験者の方はこちらを参考に自分で一度モデルを作ってみると、LBOモデルテストの合格ラインには達するのではと思う。 

本気で勉強されたい方にはこちらの書籍をおすすめする。LBOファイナンスだけでなくバリュエーションについても詳しく記載されており、英語ではあるものの一読する価値はあると思う。

投資仮説のケーススタディ

プライベートエクイティファンドの選考プロセスにおけるケーススタディとは、ある投資検討先企業に関する投資仮説についてのディスカッションが一般的である。

テストの内容は、こちらもモデリングテストと同様ファンドごとに異なるため一概に言うことは難しいが、大きく分けて、①その場で四季報等の会社情報が渡され投資候補先の選定からバリューアップやEXITの考え方までをディスカッションする方式と、②事前に対象となる企業とその情報が開示され、一週間程度間隔をあけて面接が設定され、その面接の場でプレゼンテーションを行う方式がある。

いずれにせよ、こちらの記事における投資仮説にかかる質問の回答方針とも重なるが、過去のPEファンドの成功事例や普段から興味のある分野を深堀りし、マーケット動向やバリューアップの考え方を整理しておく必要がある。また、M&AIPOのバリュエーション水準を知っておくことで、投資からExitまでのストーリーが説明できると良いと思われる。一方で仮説ではあるので、正解があるわけではなく、論理的思考能力を駆使して面接官と建設的なディスカッションを行うことができれば問題なく通過することができると考えられる。

業界知識にかかる書籍と重なるが、以下の書籍にPEファンドがどのように投資仮説を立てて投資を行い、その後バリューアップを経てEXITをしているかが記載されているのでご参考にされたい。

 

プライベートエクイティファンドの面接

プライベートエクイティファンドの選考プロセスの一例は以下の記事にも記載したが、

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本記事では、私が経験したいくつかのファンドの面接で実際にあった質問の内容をお伝えしたい。加えて、面接を突破した際の私の回答方針やその前提となる知識を得るための書籍等もご参考までにご紹介したい。

 プライベートエクイティファンドの面接における質問

 プライベートエクイティファンドの面接では、当然ファームや面接官によって特色はあるものの、複数のファームの面接を受けた私個人の経験を総合すると、基本的な質問は非常に似たものが多く、概ね以下の内容の質問にまとめることができる。

もちろんこれ以外のかなり特殊な質問もあったが、それを体系的にまとめることは困難なため、一旦上記の質問について具体的な内容や実際に私が回答した方針や考え方をまとめてみる。スキルチェックや特殊な質問については別途記事をまとめる予定である。

自己紹介

最初の質問は、どの業界における面接でもそうだと思われるが、簡単に自己紹介をしてほしいと言われる。基本的には職務経歴書や履歴書に沿って、自分の経歴を数分でまとめて話すことで問題ない。その中から面接官が気になった事柄を随時質問してくる場合もあるが、以下でまとめている質問がほとんどであるので、その質問に対する回答方針を持っておけば対応できるかと思う。

過去のディール経験とその中の役割について

自己紹介で説明したディール経験や職務経歴書に記載されているディールについて深く質問される。その中でも多い質問が以下のものである。

  • 過去経験したディールのなかで最も成果をあげられたものはどのようなものか
  • それぞれのディールにおいて具体的にどのような役割を担ったか
  • ディール中の想定外の困難な事象に対してはどのように対応したか

職務経歴書には、もちろん嘘を記載する人はいないと思うが、多少見栄えの良い文言を並べることが多いと思う。そういった点についてこのような質問をすることで、どこまで実際に主体的にディールに関わっていたかが炙り出されることになる。

これらに対しては、自分の言葉で具体的に真実を伝えるほかはないが、その後の志望理由やプライベートエクイティ業務に貢献できる内容に繋がるようなエピソードを交えると、面接官の納得性を得やすい。

転職活動の理由

プライベートエクイティファンドに応募される方は、往々にして素晴らしい経歴で現職でも活躍されているはずなので、なぜそのような状況においてこのタイミングで転職をするのかという質問をされることが多い。

これに対しては、志望理由とあわせて合理的かつ前向きな理由を述べる方が良いと考えられる。

なぜプライベートエクイティファンド

一般的な志望動機の質問ではあるが、プライベートエクイティ業務の理解度やプライベートエクイティ業務への熱意を確認する質問である。

IB出身者やコンサル出身者のよくある回答として「より経営に近いサイドでの業務に興味を持った」というものがあるが、それに対しては必ず「プライベートエクイティである必要がないのでは」、「商社等事業会社の事業投資部門やベンチャーのほうが近い仕事ができるのでは」という切り返しを受けることとなる。

これに対しては、会社の事業のための事業投資と純投資であるプライベートエクイティ投資の違いという切り口や、リスクの取り方の違い、ジュニアでの裁量の大きさの違い、ベンチャーと成熟した会社のフェーズの違い等の観点から、プライベートエクイティでしか自分のやりたいことが達成できないことを合理的に説明する必要がある。

なぜ当ファンドか、他にはどのようなところを受けているか

選考中のファンドの理解度やファンド選択の軸、他社と比較するポイントや価値観を確認する質問である。

当然であるが、ファンドの投資方針やポートフォリオを確認のうえ、志望理由との整合性のあるファンド選択の軸を説明する必要がある。他社の受験状況については、個人的には全てを話す必要はないと考えるが、ファンド業界は狭い世界で横同士がつながっていることも多いので、嘘をつくことだけは避けるべきである。

プライベートエクイティ業務において貢献できる内容

プライベートエクイティ業務の理解度を問うとともに、即戦力であるかどうかを確認する質問である。

これに対しては、過去のディール経験や業務を通じて獲得したスキルが、プライベートエクイティ業務のどのようなフェーズにおいてどう貢献できるかを具体的に答える必要がある。

IB出身者であればFA業務等のディールを回す経験やモデリングのスキル、コンサル出身者であればPMIや企業価値向上に資する具体的な戦略実行支援の実務の経験は当然のこと、対象会社の社長とのコミュニケーション経験やディールソーシングの経験があればアピールするとよいと考える。

プライベートエクイティ業務において重要な資質は何と考えるか

この質問は、ディレクターレベルでは聞かれた経験はないが、代表パートナーを含む複数のファンドのパートナーから何度か聞かれたものである。

これが正答という質問ではないと思うが、ファイナンス知識等のハードスキルではなく、ソフト面での回答をするべきと思われる。

私が回答した例としては、プライベートエクイティは地道な業務が多く必要な知識も広範囲に渡ることから真面目さや知的好奇心、対象会社とのコミュニケーションが非常に重要であることから素直さや謙虚さ、ファンドとして継続してリターンを得るために必要な判断をしていくためにはチームへの正確な情報共有が不可欠であることから正直さと迅速な意思決定力という内容を、もう少しロジカルに肉付けして話したように記憶している。

どういった投資をしたいか

実際に投資のイメージを持っているか、投資仮説を合理的に説明できるかを確認する質問である。

こちらの質問も正解があるわけではないが、過去のPEファンドの成功事例や興味のある分野を深堀りし、マーケット動向やバリューアップの考え方、M&AIPOのバリュエーション水準から、投資からExitまでのストーリーが説明できると良いと思われる。

ある企業を買収する際の買収金額はどのように算定するか

バリュエーションの基礎知識及び投資リターンを得るための買収金額の考え方を問うものである。

プライベートエクイティファンドのバリュエーション手法はシンプルで、Exit時の想定株式価値の算出にDCFを用いることはほとんどなく、基本的にはマルチプル法を利用し、ハードルレートで割り引いて買収金額を決定するというものであるため、手法を詳しく答えるよりも、マルチプル法のベースとなる事業計画数値の考え方を説明する方が良いと考える。

企業価値向上の源泉は何と考えるか

教科書的に言えば、①人材の投入やガバナンス強化によりトップラインの伸長やコストカットを行い利益を拡大させる、②ポートフォリオ間の取引や海外展開、M&Aロールアップ等の横展開による事業成長性の向上からマルチプルを増大させる、③LBOファイナンスによるレバレッジ効果という答えとなると思われるが、過去のPEファンドの成功事例も踏まえて具体的な内容を説明できると良いと考える。

PEファンドの成功事例は何か、またその理由は

成功事例については、別記事でご紹介する書籍等から興味のあるディールを調べておけば良い。成功の理由としては、当然PEファンドの使命であるLP投資家へのリターンの提供が大きかった点が挙げられるが、それは大前提として、PEファンドが入る前と後で対象会社やその役職員、取引先等のステークホルダーにとってどう良かったかが説明できると良いのではと考える。

10年後にどうなっていたいか

この質問は、単純にキャリアをどのように考えているかを確認するための趣旨もあるが、ファンド側からすると長期でコミットする人間を採用したいため、その点を確認する質問であると考えられる。

そのため、志望理由にも少し関係するが、経営に興味があるのでゆくゆくは事業会社でマネジメントをしたいという内容を答えるのはあまり好ましくないのではと考える。

私は、一貫して「次号ファンドの立ち上げにも積極的に関与し、パートナーを目指したい」と答えていた。

自分の強みと弱みは何か

就職活動でもよくある質問ではあると思うが、意外にプライベートエクイティファンドの面接でもよく聞かれる質問であった。

自分を客観視できているかを問う質問だと思われるが、自分の言葉で具体的な事例とともに答えれば問題ない。強みがプライベートエクイティ業務に重要な資質にリンクするようであればなお良いのではと考える。

個人的な失敗としては、弱みについて強みとも弱みともとれるような説明をしたところ、「本当に弱みと思って話していますか」と突っ込まれたことがあるので、コミュニケーション能力がない等プライベートエクイティ業務に致命的な内容でない限りは、素直に話すのが良いと思われる。

質問は何かあるか

プライベートエクイティファンドの面接では、どのフェーズの面接でも必ず質問の時間が設けられる。そのため、私は面接官の経歴や職位にあわせて毎回10個以上の質問を事前に準備し、面接に臨んでいた。

実際に私がした質問をご参考までに記載するが、他のファンドで聞かれて答えに窮したものをまた違うファンドの面接で質問したこともある。

  • どのような人物を採用したいか、採用してきたか
  • ファンドの今後のビジョンについて教えてほしい
  • バリュエーションの考え方を教えてほしい
  • GP株主からの独立性はどのように維持しているか
  • 投資判断をする中で、経営者のどのような点をみるか
  • ソーシングはどのように行っているか
  • 投資のサイズや業種に制限はあるか
  • 他のファンドとの差別化要因は(自分はこう考えているが)どうか
  • ポートフォリオの一社について、(自分はこのような投資ストーリーと考えているが)実際はどのような考えで投資したのか
  • 投資後のハンズオンはどのようにしているか
  • (ホームページに情報がないファンドについては)メンバー構成及び経歴は
  • プロモーションの基準を教えてほしい
  • 投資の意思決定の際のポイントを教えてほしい

 

以上がプライベートエクイティファンドの面接における質問とその回答方針であるが、背景となる業界知識やPEファンドの過去事例を知っておくことに越したことはなく、下記の記事でご紹介する業界知識・財務知識に関する書籍経営戦略・論理的思考能力に関する書籍が参考になるので、ご一読いただくと良いと思う。

pemensan.hatenablog.com

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保有資格について

私は、MENSAのほかに(MENSAは厳密には資格ではないかもしれないが)投資銀行業務やプライベートエクイティ業務に必要なものや興味のある分野の資格をいくつか保有している。あまりWeb上に情報がない資格もあるため、資格取得までの流れや勉強法についてご参考までに共有させていただく。

保有資格リスト

保有している資格は以下のとおり。

金融系資格

証券外務員二種

金融商品取引法によって定められた、金融商品を取扱う際に必須となる資格であり、投資銀行に就職する場合は必ず取得しなければならない資格のひとつ。難易度はそれほど高くないが、入社までに資格取得を義務付けられるファームも多く、合格していないと内定取り消しという話までは聞いたことがないが、少なくとも同期から白い目で見られるのは間違いない。

証券外務員一種

証券外務員二種と同様、金融商品取引法によって定められた金融商品を取扱う際に必須となる資格であり、一種外務員試験に合格するとデリバティブ信用取引など、二種外務員では扱えない商品の取引も担当できる。難易度は二種よりも若干高いが、二種を先に取得していれば簡単に合格可能。

証券アナリスト

日本証券アナリスト協会が認定する資格で、CMAプログラムと呼ばれる証券アナリスト通信教育講座第1次・第2次レベルの通信教育と試験を受講・受験し、第2次試験に合格し、かつ証券分析の実務経験が3年以上と認定されると取得可能。通信教育に相当の時間と費用が必要なため、受験までのハードルがあるが、試験範囲は投資銀行業務に必要な知識を広くカバーしており、資格取得のための勉強はIBD業務に非常に役立つ。

貸金業取扱主任者

あまり知られていないが国家資格のひとつ。平成22年6月18日以降、貸金業者は、営業所又は事務所毎に、貸金業務取扱主任者(資格試験に合格し主任者登録を受けた者)を法令(貸金業法施行規則第10条の8)で定める数、設置することが必要となった(貸金業法第12条の3第1項)ため、銀行法に基づく銀行以外のビークルで業としてファイナンスを提供する場合は、従事者として一定数の貸金業取扱主任者の資格保有者を確保する必要がある。投資銀行業務には直接関係がないが、メザニン等のM&Aファイナンスを行う場合には必要となる場合もあるため、バイサイドに興味がある方は勉強しておいて損はないと思う。

IPO実務検定試験(上級)

日本IPO実務検定協会が認定する民間資格。協会によると『IPO実務検定は、上場準備に関する専門知識を持ち、上場準備を企業内部から支えることができる人材を早期に育成するべく創設された試験』とのこと。試験の合格だけを目指す勉強ではそのレベルに達するか疑問ではあるものの、公式テキストは非常によくできており、各テキストを熟読すれば上場準備の実務を遂行するにあたって必要となる知識を総合的、体系的に学ぶことが可能。IPO実務検定の受験勉強を通じて学べることは、投資銀行業務やプライベートエクイティファンドの業務においても直接役立つことはもちろん、これから上場準備の世界に身を置きたいと考えている未経験者や学生にとっても、上場を目指す成長企業に転職・就職するためのツールとしても役立つ。

私が合格のために行った勉強法やおすすめの書籍を記事にまとめているので、ご参考までにこちらをご覧いただければと思う。

pemensan.hatenablog.com

 

不動産系資格

宅地建物取引士

言わずと知れた人気の国家資格。宅地建物取引業者が行う、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の取引に対して、購入者等の利益の保護及び円滑な宅地又は建物の流通に資するよう、公正かつ誠実に法に定める事務を行う、不動産取引法務の専門家。プライベートエクイティ業務の中で、不動産関連会社への投資を担当することとなったことから、業界知見獲得のため資格を取得。

IT系資格

JDLA Deep Learning for GENERAL 2019 #1

ディープラーニングを中心とする技術による日本の産業競争力の向上を目指す「日本ディープラーニング協会」が認定する民間資格ディープラーニングに関する知識を有し、事業活用する人材(ジェネラリスト:G検定)と、ディープラーニングを実装する人材(エンジニア:E検定)があり、各々年二回実施される。AI分野は日進月歩する技術であることから、検定・資格実施年毎に実施年号を付与することとなっており、私は2019年の第1回目のG検定に合格。難易度はそれなりに高いが、自宅で受験可能なWeb上での試験となっており、合格に到達する方法はいくらでもある。

ITパスポート

情報処理の促進に関する法律第29条第1項の規定に基づき経済産業大臣が実施する情報処理技術者試験の一区分である国家試験。難易度は非常に低く、常識の範囲内で合格可能。

応用情報技術者

ITパスポートと同様の国家試験である情報処理技術者試験の一区分。 対象者像は「高度 IT 人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT 人材としての方向性を確立した者」とのこと。情報処理技術者試験制度のスキルレベル3に相当するようで、難易度はITパスポートよりも格段に高い。

語学資格

TOEIC

言わずと知れた国際コミュニケーション英語能力テスト。スコアは2019年7月時点で915。

その他

MENSA会員

 JAPAN MENSAへの入会方法については、以下の過去記事をご参考いただければと思う。
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Microsoft Office Specialist

マイクロソフトのオフィス製品の利用スキルを証明する資格。Word2016 Expert, Excel2016 Expert, Powerpoint2016で合格。

 

以上の資格について、別記事にて資格内容や合格のための勉強法等を記載する予定。

 

投資銀行への就職・転職

私はリーマンショック後に新卒で投資銀行に就職し、投資銀行部門(IBD)でM&A等の業務を行ってきた。私の就職活動時代からは何年か経過しているが、有名な就活サイトを見る限り、新卒での就職ルートやステップはあまり大きく変わっていないようである。加えて私は中途採用の面接官やインターンの担当教官の経験もあるので、当該サイトに記載されている情報以外の個人的な経験に基づく情報が提供できると考えている。

このサイトを訪れた方は確実に当該サイトもご覧になっているはずと推測するが、自分のときもそうであったように、おそらく就職・転職活動をしている方は少しでも情報を得たいと思っており、その情報が広く知られていないサイトからのものでも、信憑性があるものは参考にしたいと考えているはずだ。

当サイトがそのご要望を満たせれば幸いである。

IBDの新卒採用ルート

IBDでは大きく分けて、以下の3つのルートでの採用がある。

  1. インターン(ジョブ)からの採用
  2. リクルーター等からの採用
  3. WebテストやESから面接に進む通常ルートからの採用

それぞれの内容は他のサイトで十分に情報が提供されているので、そちらをご参考いただければと思うが、私自身はインターンからの採用だったこと及び就職してからはインターンの担当教官として学生の評価を行っていたので、特にインターン採用については両面からどのようにすれば採用される可能性が高いかを記載する。

インターン採用

インターン採用では、まず大前提としてインターンに行くという大きなハードルがあるが、そのプロセスやノウハウも他のサイトで十分な情報提供がされているのでそちらをご覧いただきたい。

ひとつだけ個人的な経験から述べるとすると、理系の学生で投資銀行等の金融業界に興味のある方は特にインターンへの応募をおすすめする。理由としては、その時期に就職活動を始める学生は多くはなく、また仮に応募を行ったとしても学会発表等のスケジュール次第では(どちらを優先するかではあるものの)面接やインターンに参加することができないという状況も想定されるため、その点からライバルとなる学生の母集団がその他のルートに比べて少なくなるという利点がある。各ファームの採用方針は異なると思われるが、少なくとも私が所属していた投資銀行は、一定の理系学生の採用を(内部的に)掲げており、ライバルが少ないことは採用の可能性が高まることと一致する。

ジョブ中の評価

長期のインターンでは、各ファームの特色はあると思うが、基本的にはある対象会社に対する株式価値向上にかかる資金調達やM&AMBO等の提案資料をグループで作成し最終日にプレゼンテーションをするという流れが多い。その中での評価のポイントとしては、以下であった。

論理的思考能力

どのような業務を行うにも論理的思考能力は必要不可欠な能力と思われるが、特にIBDではジュニアの頃から大企業の経営企画や財務担当にプレゼンテーションを行う機会も多く、そのような場面で対象会社のビジネスや財務に精通しているスペシャリストに相対する武器は論理的思考能力と資金調達やM&Aの実務知識以外はない。後者が不足するジュニアの期間は論理的思考能力が業務を遂行するにあたって重要な要素となる。

インターンの面接を突破してくる学生は、この点が大きく不足する方は少なかったように思うが、IBDではコンサルティングファームのようなケース面接を行わないことが多いため、やはり学生によって物足りないと感じられることはあった。評価をする立場としては、単純に会話をするなかで、普段同僚と会話するレベルとどの程度差があるかで判断をしていた。

一朝一夕には身につかない能力ではあるし、私自身が学生時代にどれほどできていたかは分からないが、別途ご紹介する書籍を何度か読み、その考え方を普段の生活で実践することで、自然に身につくものと思う。

知的好奇心

IBDの業務は、会社法金融商品取引法などの法務知識、財務分析やバリュエーションのもととなる財務会計知識、ストラクチャーの検討に必要な税務知識など多岐にわたる業務知識が必要となる。加えて、これらの知識は毎年各関連法が改正施行される度に更新する必要があり、それに伴って実務面での運用も変わっていくため、それらに対応するべく継続して自ら勉強をする知的好奇心が重要となる。

インターンでは、財務知識の有無はあまり評価対象とはせず(もちろんジョブをこなすのに最低限必要な四季報有価証券報告書を読む力はあるに越したことはないが)、提案書の作成作業の中で分からないことを、自分で調べられる範囲で調べたうえで、質問する姿勢を評価のポイントとしていた。

学生としては、自分で調べられる範囲が必要十分かが分からないと思うが、自分の中で十分に調べた段階でどんどん質問していくことが良いと思う。

コミュニケーション能力

現在では使い古された言葉ではあるものの、IBDでは基本的にチームで業務を行うため、上司や先輩、同僚やアシスタントの方々と円滑にコミュニケーションできるかは業務遂行において非常に重要な要素である。もちろん、対クライアントにおいても、自分たちよりも年上で経験豊富な方々と接することとなるので、そのような方とのコミュニケーションがうまく取れるかもIBDで活躍していくうえで必要な能力である。

ジョブにおいては、限られた時間の中で提案書を作成するためにはそれぞれの役割を果たすことが重要となるが、お互いの役割を理解したうえで、自分がやるべきことをやっているか、伝達方法やタイミングなどを的確に判断してチームメンバーとコミュニケーションを取っているか、インターン担当教官とのコミュニケーション方法を特に評価の軸としていた。

この点については特に取り繕うものではないし、仮にジョブ期間を乗り切って内定を得たとしても、会社も自分も不幸になりかねないので、自然体で臨むことで良いと思う。

精神力及び体力

IBDでは、限られた時間やプレッシャーのもとで資料作成や提案を行う必要があり、相当程度の精神力が求められる。加えて、クライアントが海外であったり、海外拠点との電話会議やメールのやり取りは深夜に行われることも多く、体力(というよりもその時間帯においても集中力を発揮できるタフさ)も必要となる。

インターンでは、そこまで遅い時間まで作業をすることにはならないだろうが、それでも退社後にチームメンバーでディスカッションをすることもあるだろうし、呼び出されれば担当教官もそれに付き合うこともある。そのような場においての課題への取り組み姿勢であったり、最終日前日における言動や行動は、明らかにプレッシャー下での精神力やタフさが把握できるので、評価者としてはその点を確認するようにしていた。

リクルーター採用

一部のファームでは、OB/OGを通じてリクルーター採用と呼ばれる通常ルートよりも先行した採用が行われることがある。こちらも他のサイトに十分に情報が提供されているので詳細は割愛するが、ゼミや研究室、サークル等の先輩方が行きたいファームに所属しているのであれば積極的にネットワークを作っておくことをおすすめする。

通常採用

大半がインターンやリクルーター採用で採用枠が埋まってしまうという情報も広まっていると思うが、必ずしもそうではなく、当然各社内定辞退も想定したうえで採用人員を確保するため、通常採用枠でも可能性は十分にあると考えられる。

しかしながら、他のサイトでも記載があることではあるが、インターンになぜ応募しなかったかや(いる場合は)OB/OGに接触しなかった理由を合理的に説明できるようにしておく必要はあると思う。

 

プライベートエクイティファンドへの就職・転職にご興味がある方は以下の記事もご参考にしていただきたい。

pemensan.hatenablog.com