出産後に父親ができること・やるべきこと|事務手続きから各種イベントまで

前回の記事では出産前に父親としてできること・やるべきことを、個人的な考えも多分に含まれるが、経験に基づいてまとめて記載した。

pemensan.hatenablog.com

 

本記事では、出産後に父親としてできること・するべきことをまとめてみる。

出産後に父親ができること・やるべきこと

出産に立ち会われた方も、そうでない方も、無事赤ちゃんが生まれてホッと一息つきたいところであるが、出産直後からやるべきことが色々とある。母親は出産後しばらく入院するため、その間に父親としてできることはやっておくべきである。今後の育児は夫婦の力を合わせてやっていく必要があり、その第一歩として下記の情報がご参考になれば幸いである。

出生届の提出

まず一番初めに、生まれた赤ちゃんの戸籍と住民票を新たに作成するために、出生届を提出する必要がある。内容は法務省のホームページのとおりであるが、以下に概要を記載する。

手続名 出生届
手続根拠 戸籍法第49条,第52条
手続対象者 父,母,同居者,出産に立ち会った医師・助産師等
提出時期 出生の日から14日以内(国外で出生したときは3か月以内。なお,国外で出生したときは,この期間内に出生届とともに,国籍留保届をしないと日本国籍を失う場合がありますので,留意してください。)
提出方法 届書を作成し,子の出生地・本籍地又は届出人の所在地の市役所,区役所又は町村役場に届け出てください。
手数料 手数料はかかりません。
添付書類・部数 出生証明書・1通
申請書様式 届書用紙(出生証明書と一体となっております。)は,市役所,区役所又は町村役場で入手してください。
提出先 子の出生地・本籍地又は届出人の所在地の市役所,区役所又は町村役場
受付時間 届出先の市区町村にお問い合わせください。
相談窓口 市役所,区役所又は町村役場
審査基準 民法・戸籍法等の法令に定めるところによります。
標準処理期間 届出先の市区町村にお問い合わせください。
不服申立方法 出生届の不受理処分がされたときは,家庭裁判所不服申立てができます(戸籍法第121条)。

具体的な記載方法は相談窓口のホームページ等でご確認いただきたいが、出生届には子供の名前を記載する必要があるので、届出日までに名前を決めておく必要がある。また、医師・助産師による記入が必要な出生証明書が必要になるため、こちらも病院に手続きを確認しておく必要がある。

子供の保険証の取得申請

次に子供の保険証の取得申請を早めにしておきたい。私個人の経験ではあるが、出産後の入院中に子供が治療を受けることとなり、その際に保険証が必要となった。申請から受け取りまでに、自治体にもよるが、1週間程度はかかるため、出来るだけ早めに(出来れば出生届と同時に)行っておくことをおすすめする。

項目 内容
手続対象者 父・母のどちらか(国民健康保険の場合は住民票が一緒の家族)
提出時期 原則1ヶ月健診まで(国民健康保険の場合、出生日から14日以内)
手数料 なし
提出時に必要なもの 母子手帳(「出生届出済証明」欄に記入があるもの)
届出人の印鑑
手続対象者の健康保険証
本人確認書類(運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど)
マイナンバーが確認できるもの
提出先 勤務先の窓口(国民健康保険の場合、住民票のある市区町役所・役場)

乳幼児医療費助成の申請

子供の保険証の申請にあわせて、子供の医療費にかかる自己負担分の免除等が受けられる乳幼児医療費助成の申請もなるべく早くにしておきたい。乳幼児医療費助成は、それぞれの自治体で内容は異なっているものの、すべての都道府県・市区町村で独自の助成が行われており、都道府県では「就学前まで」、市区町村では「15歳の年度末まで」の助成をしている自治体が多い模様。

項目 内容
手続対象者 保護者
提出時期 自治体によって異なる
手数料 なし
提出時に必要なもの 乳幼児医療証の交付申請書
届出人の印鑑
子供の健康保険証
本人確認書類(運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど)
マイナンバーが確認できるもの
(必要であれば)所得証明書等
提出先 住民票のある市区町村役所・役場

児童手当の申請

児童手当とは中学校卒業までの子供を養育している人に支給されるもの。

1ヶ月あたりの支給額は、0歳~3歳未満で15,000円、3歳~小学生で10,000円(第3子以降だと15,000円)、中学生で10,000円。所得制限にかかってしまった場合でも、当面は特例給付として子供1人あたり5,000円が支給される。

項目 内容
手続対象者 同一世帯の中で年収が最も高い者
提出時期 出生から15日以内
手数料 なし
提出時に必要なもの 児童手当・特例給付認定請求書
届出人の印鑑
手続き対象者の健康保険証
本人確認書類(運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど)
マイナンバーが確認できるもの
(必要であれば)所得証明書等
提出先 住民票のある市区町村役所・役場

出産育児一時金の支給申請

出産育児一時金とは、本人もしくは扶養されている人が出産したとき、加入中の健康保険から42万円(※)が支給されるというもの。出産する病院が「直接支払制度」に対応していれば、産院の窓口で健康保険証を提示し、制度を利用する旨の文書を提出するだけで良い。また、出産費用が42万円(※)以内に収まったなら、差額を健康保険側に請求すれば後日支給される。(※)産科医療補償制度に加入していない病院で出産した場合は40.4万円

なお、少しでも節約をしたければ、直接支払い制度を利用せずに退院時にいったん実費を病院にクレジットカードで支払い、以下の手続きを行うことで出産費用全額に対してポイントが得られる。

項目 内容
手続対象者 母親(父親の扶養になっている場合は父親が申請)
提出時期 出産した翌日から2年以内
手数料 なし
提出時に必要なもの 出産育児一時金支給申請書
直接支払制度に係る代理契約に関する文書の写し(直接支払制度を利用しない旨を示すもの)
出産費用の領収書
出生を証明する書類
提出先 会社の担当窓口(国民健康保険の場合は住民票のある市区町村役所・役場)

「直接支払制度に係る代理契約に関する文書の写し」については、出産する病院に依頼することで取得できる。「出生を証明する書類」についても出産する病院に発行してもらう書類となるので、あわせて依頼する必要がある。

出産手当金の支給申請

これについては、母親が自分の会社に対して提出するものであるので、詳細は記載しないが、提出書類の準備等必要に応じてサポートをするのが良い。

育児休業給付金の申請

こちらも出産手当金と同様、母親が自分の会社を通じて提出するものであるので、必要に応じてサポートをしよう。

確定申告における医療費控除の手続

出産をした年度においては、高額医療費控除制度(医療費などの自己負担額が10万円を超える場合には、超えた金額分の所得税控除が受けられる制度)が適用され得るので、各費用の領収書は捨てずに取っておき、確定申告に利用するべきである。

出産に関連する医療費控除の対象となる費用は以下のとおり。

  • 妊婦健診費
  • 分娩費、入院費
  • 通院時の公共交通機関(バス、電車等)の運賃
  • 出産時のタクシー代(バスや電車を利用することが困難な場合)
  • 入院時に病院が用意した食事代

公共交通機関の運賃については、領収書が出せないものもあるため、記録を残しておくことで良いという運用になっているようで(詳細は国税庁若しくは管轄税務署、税理士等に確認いただきたい)、エクセル等に記載をしておく必要がある。

お宮参り等のイベントの検討

今までの事項と少し毛色が異なるが、お宮参りや写真撮影等のイベントにかかる検討も父親のできることのひとつである。

お宮参りには独自のしきたり等があるので、両親等とも相談のうえ決めることが望ましいが、1か月検診後に設定するのが望ましい。

また、写真撮影については、第1子はどうしても撮りたくなってしまうものであるが、第2子以降のことを考え、本当に必要かどうかを判断するべきであると個人的には考える。お宮参りの写真撮影をすると、写真撮影へのハードルが下がってしまい、(私の家庭のように)その後のハーフバースデーや初節句の写真撮影もするようになる。もちろん想い出となり、写真撮影や出来上がったアルバム自体は非常に素晴らしいものであるが、安価なものではないので、しっかりと検討すべきである。