プライベートエクイティファンドに転職するためのお薦め本

プライベートエクイティファンドへの就職・転職における選考プロセスについては下記別記事において例示しているが、その中での面接スキルチェックにおいてはそれなりのレベルを要求されることがあるため、事前に書籍等で専門的な業界知識や財務知識、経営戦略や論理的思考の手法を学んでおくことは選考において有利となるだけでなく、シビアな選考の中で心に余裕をもたらしてくれる。

本記事では、私が選考の過程で参考にしたもの及びその後業務の中で役に立ったもののうち、プライベートエクイティ業界に関する書籍及び財務知識に関する書籍をご紹介する。

プライベートエクイティ業界に関する書籍

日本語の書籍では最近出版された以下の本が、PEファンドの実務を概観することができる良書となっている。具体的な事例もいくつか掲載されており、面接で必ず聞かれる「なぜプライベートエクイティなのか」という質問に対する回答を深堀りして考えるきっかけになるだろう。また、スキルチェックにおけるケーススタディのストーリー作りにも役立つと思われる。

 

事例という観点からは、日本バイアウト研究所が出している以下に代表されるバイアウトにかかる書籍は業界知識の獲得に役立つ。シリーズで何冊も出ているので、全てを詳細に読む必要はないかもしれないが、興味のある業界や気になる事例があるものを購入して頭に入れておくと、面接の際にスムーズに回答ができると思う。また、事例の中には受験するファンドのディールの記載もあると思われるので、その内容は必読である。

また、外資系ファンドや大手国内ファンドを受ける際には、関連書籍や代表者パートナー等が著書を出版されている場合があるので、敢えて本記事には具体的な記載はしないが、そちらも必読である。

最後に上記からは若干立場の異なる書籍として、下記をご紹介する。本書はPEファンドの立場というよりは客観的な立場から書かれたものであり、PEファンドに対して一部批判的な内容も含まれているので、面接の最後の質疑応答の際の質問を考えるきっかけとなるだろう。

財務知識に関する書籍

財務知識については、一般的な財務会計やバリュエーションの書籍に加えて、プライベートエクイティでは株式取得時にレバレッジをかけて買収することが多く、M&Aファイナンスに関する知識も必要となる。バリュエーションについては、投資銀行とは異なり、DCF法等の複雑な手法は利用せず、基本的にはマルチプル法を使用することが多いので、基本を抑えられる書籍で十分である。M&Aファイナンスについては、スキルチェックに関する記事においてご紹介した書籍と重なるものもあるが、あわせて以下にご紹介する。

財務会計については、版を重ねている大先生方の書籍であればいずれでも基本を学ぶことができるので、書店で一度手に取っていただき読みやすさで決めてしまって問題ない。念のため以下にご紹介する。 

バリュエーションに関する書籍は、上記で述べたとおり基本書で問題ない。古い本であるが、以下が入門書としては最適である。

もう少し本格的に学ばれたい方は、以下の本がIB界隈ではよく読まれている。

M&Aファイナンスについては、スキルチェックの記事と重複になるものの、以下再掲する。 

以上がプライベートエクイティの面接にあたっての知識獲得のために一読をお勧めする書籍である。別記事では経営戦略、論理的思考に関する書籍もご紹介しているので、興味のある方はご参考にしていただきたい。

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